あるかも大逆転賞金王…石川遼、1打差3位で最終日へ 優勝なら4000万円加算、賞金ランク上位陣は今大会振るわず【カシオワールドオープン】
◇23日 男子ゴルフ カシオワールドオープン第3日(高知県芸西村、Kochi黒潮CC) 石川遼(33)=カシオ=が1バーディーながら、3日連続のノーボギーラウンドで71、通算11アンダーで、首位に1打差の3位で最終日を迎える。優勝すれば賞金ランク1位になる可能性もあり、14季ぶりの賞金王が現実味を帯びてきた。前日2位だった清水大成(25)=ロピア=は73と落としたが、石川とともに3位で、最終日は一緒に回る。マイケル・ヘンドリー(ニュージーランド)と韓国の宋永漢(ソン・ヨンハン)が、通算12アンダーでトップに並んだ。 ひょっとしたら、ひょっとするかもしれない。石川の大逆転賞金王という雰囲気が高まってきた。最終日に1打差をひっくり返して今季3勝目を挙げ、賞金4000万円を加えれば、1億1700万円を突破する。賞金ランクは現在5位だが、1、2位の平田憲聖(エレコム)と金谷拓実(ヨギボー)が優勝争いから遅れ、ランク4位の木下稜介(ハートランド)が途中棄権と、ライバルたちが苦しんでいる。風は石川に吹いている。 第3ラウンドは、その風を克服した。午後から急激に冷たい北風が強くなり、石川も「きつすぎた。土砂降りみたいにタフなコンディションだった」という。バーディーは10番の1つだけ。パーオンしても、15メートル以上の長いパッティングを何度も残した。だが、集中力を切らすことなく、それらをことごとく克服。特に17番は20メートルほどの難しいラインだったが、最初のパットを1メートルほどに寄せた。本人も「あれはよかった」と納得した。 グリーン上を支えているのは、今大会で導入したツーボールタイプのマレット型パターだ。目標に対して構えやすいものをと探していたら、契約メーカーの倉庫の隅に、20年前に製造されたクラブが1本だけ眠っていた。「思ったところに打てている。いいニュースです」と、今大会では全幅の信頼を寄せ、ノーボーギーラウンドの原動力になっている。
2週前の三井住友VISA太平洋マスターズで勝ったとき、賞金王への意欲について「僕の名前なんて、誰も考えていないでしょう」と、一笑に付していた。今週も、キングの座については、一言も触れていない。だが、逆に言えば、そろそろ気になりだしている? 「初日みたいなアイアンショットを打てれば」という最終日。優勝インタビューで、どんな言葉を残すかも注目される。
中日スポーツ