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イネオスが新チーム名でツール・ド・フランスへ シチリア島開幕のジロの情報も

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Cyclist

 コロナ禍でストップしていたロードレースがいよいよ再開だ。8月のUCIワールドツアーの“再開幕”を前に、7月下旬からトップチームはヨーロッパ各所でのレースに試運転として参戦を開始。そのレース情報に加えて、ツール・ド・フランスを見据えたチーム イネオスの動向や、ジロ・デ・イタリアの開幕地変更といったビッグトピックも飛び込んできた。今回もこうした話題をピックアップしながら、レースシーンの本格再開に向けてわれわれも観戦や応援の準備といきたい。 チーム イネオスが「イネオス・グレナディアーズ」にチーム名変更  チーム イネオスは、8月29日開幕のツール・ド・フランスから、チーム名を「イネオス・グレナディアーズ(INEOS Grenadiers)」に変更することを発表した。  チーム名として加わることになったグレナディアーは、タイトルスポンサーであるイギリスの石油化学製品メーカーのイネオス社のグループ企業「イネオス オートモーティブ」が設計・製造を手掛ける4×4車両(四駆車)。イネオス社の会長であるジム・ラドクリフ氏が企画・立案した車両は、この7月に発表され、2021年後半に生産が開始される予定になっている。  新しいチーム名で活動するのは、フランス・ニースでスタートするツールから。この発表段階ではチームカラーやジャージのお披露目はなかったものの、ツール開幕前にはチーム新名称とブランドに関する正式な発表を行うとしている。 INEOS Grenadiers29.08.2020#BuiltOnPurpose — Team INEOS (@TeamINEOS) July 22, 2020 10月開催のジロ・デ・イタリアはシチリア島開幕に  ジロ・デ・イタリアを主催するRCSスポルトは7月24日、10月3~25日にかけて行われる今年の大会をイタリア・シチリア島の都市パレルモで開幕することが決まったと発表した。  当初はハンガリー・ブダペストで開幕することになっていた2020年大会。新型コロナウイルスによるパンデミックで大会そのものが従来の5月から10月に開催時期を変更。また、ハンガリーを含む東欧での感染が広がっていることもあり、同国での開幕は2021年にスライドすることになっていた。  代替開幕地として早くから濃厚といわれてきたシチリア島だが、この正式発表ではひとまずパレルモでの第1ステージを含む序盤4日間のルートを明らかに。大会初日は16kmの個人タイムトライアルが設定され、パレルモの中心部に向かって下るレイアウトが特徴的なコースになるという。さらに第3ステージでは、ジロではおなじみのエトナ火山の頂上フィニッシュが登場。上りは初めて採用されるルートとなり、登坂距離18.2km、平均勾配6.8%、フィニッシュ直前で最大勾配11%に。  大会全体では主要ステージの大幅なコース変更はないとしており、近日中に3週間のコース編成が確定する見通しだ。 ジロ・デ・イタリア2020 序盤4ステージ 10月3日 第1ステージ モンレアーレ~パレルモ 16km個人タイムトライアル 10月4日 第2ステージ アルカモ~アグリジェント 150km 10月5日 第3ステージ エンナ~エトナ 150km 10月6日 第4ステージ カターニア~ヴィッラフランカ・ティッレーナ 138km シビウサイクリングツアーはボーラ勢の独壇場  8月再開のUCIワールドツアーに先立ち、7月23~26日にかけて同ヨーロッパツアー1クラスのステージレース、シビウサイクリングツアーがルーマニアで開催された。  同国ではいまだ新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、大会実施そのものが当初の7月上旬から変更となったほか、マチュー・ファンデルプール(オランダ)を擁して参戦予定だったアルペシン・フェニックスなど数チームが出場を辞退。また、参戦したイタリア人選手は同国の規定に沿って、帰国後2週間の検疫措置としてレース活動停止になることが決まるなど、困難な情勢の中でどうにかレース開催へとこぎつけている。  この時期に開催されるレースの中では注目度が高く、事実上シーズン再開の意味合いも強かった今大会。4日間5ステージでの争いは、結果的にボーラ・ハンスグローエの独壇場となった。  大会初日のプロローグ(2.5km)は大雨の影響で、主要ライダーのほとんどがセーフティに終えたが、翌日の第1ステージ(183km)でボーラ勢のエンジンが始動。グレゴール・ミュールベルガーとパトリック・コンラッドのオーストリア人コンビが山岳でワン・ツーフィニッシュを決めると、平坦区間の第2ステージではエーススプリンターのパスカル・アッカーマン(ドイツ)が快勝。  最終日は山岳タイムトライアルとショートステージの2レースが組み込まれ、12.5kmの上りをこなした第3ステージaでミュールベルガーが圧勝。締めくくりの第3ステージb(109km)はアッカーマンがきっちりと勝利した。  この結果、山岳で圧倒的な力を見せたミュールベルガーが個人総合優勝。コンラッドも2位で続き、チームとして格の違いを見せつけた。  また、今大会にはNIPPO・デルコ・ワンプロヴァンスの一員として中根英登も出場。第1ステージでは山岳での牽引を見せたほか、第3ステージbではスプリントに向けたレース構築を担った。地元レースでもあったエドゥアルド・グロスをステージ3位に送り込んだほか、個人総合4位となったレミ・ロシャス(フランス)を支えるなど、アシストとして高い貢献度を示している。 今週の爆走ライダー-ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマ・エフデジ) 「爆走ライダー」とは… 1週間のレースの中から、印象的な走りを見せた選手を「爆走ライダー」として大々的に紹介! 優勝した選手以外にも、アシストや逃げなどでインパクトを残した選手を積極的に選んでいきたい。  フランスが世界に誇る強力チームは、未曽有のパンデミック下にあってもエースのみならず、アシストライダーにも先々の明確なビジョンを提示した。契約延長に合意した選手たちは、未来への希望とともに落ち着いた環境でのレース活動が保証されることに大きな喜びを見出している。  プロ13年目のベテラン、ジャコポ・グアルニエーリもこのほど、2年の契約延長に合意。35歳になる2022年まではトップレベルで走り続けることが決まった。仕事は2017年の加入以来一貫してアルノー・デマール(フランス)のリードアウト。フランスを代表する勝負強いスプリンターのお膳立ては、プロライダーとしての彼の価値を明確に示すものになっている。  とはいえ、レースができない日々はあれこれと考えてしまい、悩む日々だったという。特に自国の感染者数の増大を目の当たりにし、自転車の無力さを痛感したのだという。そんな状況にあって、自分が何をするべきかも思い浮かばず、どこを目指すべきかも分からない。感染者の発生で大会が途中終了したUAEツアーにも参加しており、そのときはたまたま帰国便が手配できたことでチーム本隊より早くその場を離れることが許されたが、仲間を置いて現地を去ったことも心を締め付けた。  時間が経ち、シーズンの再開が見えてきたところで、悩みからも解き放たれようとしている。チームと長く共にすることが決まり、自らを誇る仕事にも集中できそうな手ごたえが戻ってきた。「フィニッシュラインに向かう速い展開の中で、自分がどんな仕事をするべきかは分かっている。僕は発射台なんだ」。いま目の前にあるすべてを受け入れる覚悟を決めたという男に、もはや失うものは何もない。 福光俊介(ふくみつ・しゅんすけ) サイクルジャーナリスト。自転車ロードレース界の“トップスター”を追い続けて十数年、今ではロード、トラック、シクロクロス、MTBをすべてチェックするレースマニアに。現在は国内外のレース取材、データ分析を行う。UCIコンチネンタルチーム「キナンサイクリングチーム」ではメディアオフィサーとして、チーム広報やメディア対応のコントロールなどを担当する。ウェブサイト「The Syunsuke FUKUMITSU」

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