急死した愛猫との〝花見〟漫画に感涙 夢からさめて伝えた「またね」 「無理に立ち直らなくたっていい」
突然命を落としてしまった、最愛の猫。悲しみに暮れる飼い主が見た、ある夢を元に描かれた漫画が、ツイッター上で支持を集めています。喪失の痛みと向き合う中で、頭に思い浮かんだというメッセージについて、作者に尋ねました。(withnews編集部・神戸郁人) 【漫画全編】「私も愛猫からこう思われたい」と猫好き読者たちの心をつかんだ、切なくも優しい別れの物語
桜の木の下で飲み食いする黒猫と女性
4月12日、7ページの漫画がツイートされました。 「いやぁーー ごうせいごうせい」。焼き魚やおにぎり、お刺し身などのごちそうを前に、一匹の黒猫が喜びます。桜の下で、女性と一緒にお花見をしているようです。 「今日は雨のために用意したんだよ」。女性は「雨」という猫の名を呼び、ごちそうを食べるよう促しました。 うまいうまいと魚をほおばる雨を眺めつつ、女性はおちょこに入った酒を、幸せそうになめています。 「あねさま、ホントによく呑(の)まれますねェ」「肝の臓には気をつけてくださいやしよ?」 雨が心配の言葉をかけていると、かたわらに流れる川のほとりに、別の猫が漕(こ)ぐ一艘(いっそう)の小舟がやってきました。
「たのしかったよ」「ありがとう」
もう行くんだね、もう少しゆっくりでもよかったのにねぇ――。女性が雨に話しかけます。二人には、別れの時が迫っていました。 「また会えるかなぁ」。そう尋ねつつ、女性が右小指を立てます。左手を巻き付けた雨は「会えますとも、この名の通り」「雨が降れば、また会えます」 やがて船が出発し、交わった手がするりとほどかれました。段々と遠ざかっていく雨を、女性は泣き笑いしながら見送ります。 豪雨の中で拾われた雨ときょうだい猫。哺乳瓶でミルクを飲む雨。窓の外で降る雪を見て、不思議がる雨。女性と一緒に猫じゃらしで遊ぶ雨……。 走馬灯のように記憶が流れた後、女性は笑顔で伝えたのです。「雨、たのしかったよ」「ありがとう」 最後のページに描かれているのは、小舟の上で手を振る雨の姿。遠方には、星々と月に照らし出された鳥居が見え、周囲を魚や亀が舞っています。そして一言、こう添えられていました。 「またね。」