致死率は90%にも ギニアで感染拡大するエボラ出血熱とは?
ダスティン・ホフマンが主演するアメリカ映画『アウトブレイク』は、エボラ出血熱をモデルにしたと言われていますが、いま、アフリカのギニアでエボラ出血熱の感染が拡大しています。同国保健省によると、4月1日現在で、感染の疑いがある患者の数は127人、死亡者は83人になりました。このエボラ出血熱とはどんな病気なのでしょうか?
エボラ出血熱は1976年にアフリカのスーダンで発見されました。エボラウイルスによって引き起こされる病気で、その際、患者数は284人、死亡者数は151人にのぼっています。 以来、すべてアフリカ大陸で発生していて、2年前にはコンゴ民主共和国やウガンダで患者が発生しています。ウイルスが寄生する生物のことを宿主(しゅくしゅ)と言いますが、エボラウイルスの宿主はオオコウモリだと考えられていて、エボラ出血熱の発生とオオコウモリの生息地域とは重なっていると考えられています。
WHO(世界保健機関)によると、エボラ出血熱は発熱や頭痛、嘔吐、下痢などの症状があり、出血が見られることもあります。この病気が恐ろしいのは、致死率は25%から90%にもなることです。ウイルスに感染した患者の血液などから感染したり、ウイルスに汚染された器具や動物に触ることでも伝染します。今回のギニアでの流行でも、医療従事者が感染していることが報告されています。 現在ギニアで医療活動にあたっている「国境なき医師団」によると、医療従事者は、患者の排泄物や血液、汗からの感染を防ぐため、特殊な防護服に前掛けをし、患者が話すときに飛ぶツバを防ぐためのマスクやゴーグルを着用したうえで隔離施設に入るなど万全を期しています。