グローバルとローカルの出会いを幸せにするグローカリゼーション vol.3
グローバルとローカルの出会いを幸せにするグローカリゼーション vol.3 鷲見 淳(明治大学 経営学部 専任講師) 以前から、企業の国際経営において「グローカリゼーション」が重要であると言われています。しかし、その捉え方は難しく、本質的な理解ができていないために失敗する企業が多いと言います。あらためて、「グローカリゼーション」の本質を考えてみましょう。 ◇グローカリゼーションは私たちの日常にも当てはめられる 誤解を避けるために明確にしておきますが、グローバルレベルでの共通化や水準化の重要性の増大は、今日の企業の国際経営に特徴的に見られます。しかし、決してローカルとしての現地化の重要性がなくなってきていることではありません。 むしろ、グローバル化を推進しようとすれば、ローカルは決定的に重要なのです。もちろん、完全現地化すれば良いというわけではありません。 しかし、グローバルレベルの、いわゆるモダン・トレードがその国の市場を席巻することはあり得ないと思います。 どこの国や地域にも、日本にも、トラディショナル・トレードはあり、そうした伝統的な市場(いちば)は、そこの文化に根ざしており、簡単になくなることはありません。 重要なのは、こうした地域の多様性を伝統的な文化のレベルから捉え、そこからアイデアを生むことです。 こうしたグローカリゼーションの考え方は、企業の国際経営に限ったことではなく、私たちの日常にも十分当てはめて考えることができます。 例えば、関東と関西、あるいは、都市と地方にも地域的な文化の違いがあります。そこで、自分の「常識」だけでものごとを進めることはとても難しいでしょう。 まず、多様性を考えること、そこからバランスの良い対応を見出すこと。こうしたグローカリゼーションの考え方は、とても実用性のある考え方だと思います。 ※取材日:2019年10月
鷲見 淳(明治大学 経営学部 専任講師)