アジア杯挑む森保Jの秘密兵器FW北川航也と岡崎慎司の絆
ストライカーとしてのタイプはまったく異なる。サイズも違う。それでも北川航也は清水エスパルスの偉大なる先輩と魂を共有しながら、森保ジャパンが臨む初めての公式戦、来月1月5日からUAE(アラブ首長国連邦)で開催されるアジアカップ2019の代表メンバーに名を連ねた。 千葉県内で26日からスタートした国内合宿。追加招集されて国際Aマッチデビューした10月シリーズ、初先発でアシストを記録した11月シリーズと紡がれてきた軌跡を、成長著しい22歳は「自分でもびっくりするくらい事が上手く進んでいる」と笑顔で振り返った。 「初招集された10月と比べたら前回の11月のほうが、11月と比べたら今回のほうがリラックスしていますね。アジアを戦っていくうえで全員の力が必要になってくるので、選ばれた23人の一人として戦力になれるようにいい準備をしていきたい」 偉大なる先輩とは兵庫・滝川第二高から2005年にエスパルスへ加入し、2011年1月にブンデスリーガのシュツットガルトへ移籍した岡崎慎司。現在はプレミアリーグのレスター・シティーに所属する32歳の背中を、北川は「常に自分の頭のなかにあった」と追いかけてきた。 ピッチ上で共演したことのない、10歳違いの2人には共通点が多い。まずは背番号。ジュニアユースからエスパルスひと筋で育ってきた北川は、トップチームに昇格して2年目の2016シーズンから、岡崎がエスパルス時代に背負い続けた、クラブの出世番号とも言える「23番」を託されている。 加入直後は長谷川健太監督(現FC東京監督)から「8人いたFWの8番目」とランクづけられ、サイドバック転向も勧められた174cm、76kgの岡崎は、相手ゴール前へ危険を厭うことなく飛び込んでいく勇気と泥臭さを武器に台頭。4年目の2008年に10ゴールをあげて評価を逆転させた。 180cm、74kgのサイズをもつ北川の武器は、足元の技術の高さ、相手の最終ラインの裏へ入り込む巧みさ、そして得点パターンの多彩さ。4年目の今シーズンはクリスランやドウグラス、鄭大世の誰とでも前線で2トップを組める柔軟さも身につけ、チーム最多、リーグ6位タイの13ゴールをあげた。 エスパルスに加入して4年目、22歳になるシーズンでともに初の2桁ゴールをマークしたのも、急成長ぶりが評価されて初のA代表入りを果たしたのも同じ。そして、何かの縁に導かれるかのように、緊張と興奮が交錯するデビュー戦も新潟の地、デンカビッグスワンスタジアムだった。