洒落者の至福の時間 カクテルと一緒に靴磨きを! 昔ながらの嗜みをまとめて体験できる「ザ・シューシャイン・アンド・バー」
働き方は変わっても、働くことの粋は忘れたくない人にぜひ!
美しく艶を増していく靴を見ながら傾ける杯。アフター5の贅沢が明日への活力をチャージする。 【写真25枚】アフター5の贅沢が明日への活力をチャージ 美しく艶を増していく靴を見ながらお酒が飲める「ザ・シューシャイン・アンド・バー」の空間は素敵すぎる! 日本が高度成長期の坂を上っていた頃、路上での靴磨きと仕事終わりの一杯は、共にビジネスマンを支える柱だった。前者は仕事へのモチベーションを、後者は仲間とのコミュニケーションを培った。だが、まず道路規制や職人の高齢化によって前者が激減し、後者もバブル崩壊やコロナ禍のリモートの結果、以前よりも確実に縮小している。もはやプロによる靴のケアと飲酒は、働く男にとってのルーティンではなくなった。 そんな趨勢に抗うように、「ザ・シューシャイン・アンド・バー」が、2019年のオープン以来、連日働く男たちを惹きつけている。店は東京の新橋近く、再開発が進む新虎通り沿いにあり、靴磨きとバーがひとつになったユニークな形態だ。オーナーは長谷川裕也さん。実際に路上からキャリアをスタートし、高級シューシャインサービスの「Brift H(ブリフト・アッシュ)」を立ち上げた。もともと青山の本店では預かりだけでなく、カウンター越しに顧客の目の前で靴を磨く対面式を採用していたこともあり、バーとのコラボレーションはまさに慧眼だった。 ◆異なる職人技のシナジー効果 靴磨きは長谷川さんの下で修業を積んだ上別府生さん、カクテルづくりは有名なバーでキャリアを重ねた日沖憲吾さんが担う。興味深いのは単に異業種の並列だけにとどまらず、靴と酒という男性がこだわるもの同士のケミストリーだ。 自分の靴がピカピカになるのを見ながらお酒を──洒落者にとってまさに至福の時間。そのうえ、靴をイメージソースにしたカクテルも供される。イタリア発祥のネグローニのカンパリをハーブリキュールのグランクラシコ・ビターに変えたザ・シューシャイン・ネグローニ、またジョン・ロブやオールデンといった老舗の名を冠したカクテルも見逃せない。上別府さんから日沖さんがブランドイメージをヒアリングして考案したのだという。好きなモデルを思い浮かべながら飲むのも乙だろう。 身嗜み、酒を嗜む。共に楽しみながらも節度を忘れないニュアンスがある。働き方は変わっても、働くことの粋は忘れたくない。輝きを増した靴と豊かな酒の味は、そんな意気をあらためて思い出させてくれそうだ。 文=酒向充英(KATANA) 写真=松崎浩之(INTO THE LIGHT) (ENGINE2024年12月号)
ENGINE編集部
【関連記事】
- 現実となった夢のカメラ 焦点距離43mmのライカQ3が登場 超高性能レンズ、アポ・ズミクロンを搭載!
- 希少価値絶大! 入手困難な逸品として注目を浴びる国産時計の2ブランドとは?
- 森に飲み込まれた家が『住んでくれよ』と訴えてきた 見事に生まれ変わった築74年の祖父母の日本家屋 建築家と文筆家の夫妻が目指した心地いい暮らしとは?
- アストン・マーティンの旗艦、ヴァンキッシュに自動車評論家の大谷達也が試乗 スーパー・スポーツカーとアストン・マーティンとの決定的な違いとは?
- 1日2組限定! 森のなかにある隠れ家的ブルワリー「98BEERs」で愉しむ大人の週末 ディフェンダー90で行くドライブ旅行 いい大人には、いいクルマといい旅が必要だ!【後篇】