中国や韓国の「反日」勢力に付け入るスキも 座ったまま握手、腕組みしたまま式典に「石破首相で大丈夫か」APECでの外交失態
【ニュース裏表 有元隆志】 下関市(山口県)は「幕末の志士たちの息吹」が聞こえてくる街でもある。高杉晋作が隠れた井戸、志士たちを支えた商人、白石正一郎の旧邸跡などの史跡が点在する。この地で2013年に発足したのが長州「正論」懇話会だ。正論懇話会は産経新聞の「正論路線」に共鳴、賛同する人たちの集まりである。 【写真】座ったままペルーのボルアルテ大統領と言葉を交わす石破首相 14年7月の講演会で、当時の安倍晋三首相は「長州は近代国家日本を生み出す原動力となった。志士たちが生まれた土地でもある。私も長州人の血を引いていることを誇りに思っている」と語った。 19日に行われた長州「正論」懇話会の第52回講演会に、私は産経新聞論説委員の阿比留瑠比氏と登壇した。 冒頭、話題となったのがアジア太平洋経済協力会議(APEC)での石破茂首相の振る舞いだ。あいさつに訪れた外国の首脳と座ったまま握手を交わしたり、腕組みしたまま式典に臨んだ映像が世界に流れ、「外交マナーがなっていない」「日本の恥」などとSNS上で批判を浴びた。 APEC閉幕に合わせた各国首脳の集合写真にも、石破首相の姿はなかった。開催国ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領の墓参りに行ったものの、交通渋滞に巻き込まれ間に合わなかったためだ。 一つずつあげつらうつもりはないが、「石破首相で大丈夫か」と思うのは当然である。阿比留氏は、来年夏の都議選、参院選を控え、候補者たちの間から「石破首相を代えてほしい」との声が高まると予想した。 中でも、産経新聞で長期連載「歴史戦」を担当した私と阿比留氏の共通の懸念は、来年が「終戦80周年」「日韓国交正常化60周年」の節目の年にあたることから、「中国や韓国が、石破首相の歴史観を利用してくるのではないか」ということだ。 共産党の機関紙「しんぶん赤旗」(10月18日付)は、石破首相が毎日新聞鳥取県版(06年9月23日付)に「最近は、自民党の若い議員を見ても、怖い。過去の戦争を『すべて正しかった』と考えていて、頭は大丈夫かと疑いたくなる。日中戦争は明らかに侵略戦争だし、韓国併合は植民地化(だ)」と語ったと紹介している。 終戦70年にあたる15年、「70年談話」を出すにあたり、当時の安倍首相は有識者らによる「21世紀構想懇談会」を設置した。