コロナ禍に関係なく、食べごろを迎える野菜や果物。「行き場を失った」食材が食卓に届くまで
豪雨被災地からのSOSも、支援プログラムで可視化
7月第1、2週には、熊本県などの九州地方や中部地方が豪雨で洪水や土砂崩れの被害に遭った。 コロナ禍で打撃を受けていた上に、魚の養殖所に土砂や水が流れ込むなどの被害も出た。食べチョクは、豪雨で被害が出た生産者の人々を支援するためにも「被災生産者支援プログラム」を始め、支援を必要とする生産者を可視化した。 シェフやパティシエたちが作る「CookForJapan」が、被災した生産者の作る魚介類や野菜を使ったレシピを考案するなど、連携してプログラムを進めている。食べチョクからも、1購入につき300円を生産者に寄付しているという。
「生産者さんが食材の向こうにいる」多くの人が実感できたコロナ禍
自粛期間などに食べチョクを利用し始めた人の大半は、その後もリピーターになっているという。 「おうち時間」で自炊する機会が増えるなど、何かと「食」と向き合うことがあったコロナ禍で、動向を注視してきた秋元さんはこう考察する。 「コロナの食に対する影響は、一過性というより『生産者さんが食材の向こうにいる』という当たり前のことを、皆さんが実感できたタイミングなのかなと思っています」 「スーパーからも食材がなくなったりして、改めて食の大切さというのを見直された方が多いのかなと思いました。生産者から直接、食材を取り寄せるという文化がそもそも日本にはあまりないですが、コロナを機にその買い方を初めて知った人も結構いらっしゃいました」 これまでスーパーに並ぶ野菜を、値段だけを確認して購入していた人も、食材が品薄になるなどの現象、または生産者から直接購入することで「生身の人が作っているんだということを理解できたのでは」とした。 「顔も分からず、存在すら気にもしていなかった人から購入している、というところから、農家さんが『親戚のおじさん』くらいのイメージになり、少しずつ買い続けてファンになってもらうことが理想です」 7月10日には、iOS版のアプリもリリースし、さらに手軽に注文ができるようになった。