日中外相会談~尖閣諸島問題について強気の王毅氏に対し「何も言わなかった」茂木外相
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月26日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。来日した中国・王毅国務委員兼外相と茂木外務大臣、また菅総理との会談について解説した。
中国・王毅国務委員兼外相の来日
菅総理大臣は11月25日、中国の王毅国務委員兼外相と総理官邸で会談した。会談で菅総理は日中のビジネス関係者の往来再開や、2021年夏のオリンピック・パラリンピック、2022年に行われる北京冬季オリンピック・パラリンピックへの協力を確認。また、沖縄県の尖閣諸島周辺海域での中国公船への対処を要求した。 飯田)王毅さんは加藤官房長官とも会い、自民党の二階幹事長とも会談しています。 鈴木)このコロナの時期に、わざわざ専用機で直接王毅さんが来るということ自体、異例です。それなりの中国の目的があるということです。前にもお話ししたと思うけれど、安倍さんは以前に、「中国とはWin-Winで行く」と。「自分は思想家ではなくて政治家だ」と言っていました。思想的に言えばいろいろ合わないことは山ほどあるが、政治家だから、中国とお互いにWin-Winで行くために、言うべきことは言い、するべきことはする。対話もきちんとやるという姿勢は、いまの菅政権でも続いていると見ていいと思います。
尖閣諸島問題について強く「一歩も譲らない」という王毅外相に対して、何も言わなかった茂木外相
鈴木)ただ、茂木さんと王毅さんの記者会見を聞いて、極めて違和感を持ちました。王毅さんは、尖閣諸島周辺のことに関して、かなり強い口調で「一歩も譲らない」と言っています。 飯田)主権を守って行くと。 鈴木)それに対して茂木さんは、「我が国のものだという主張は変わらない」ということを主張して、お互いの意見が合わなかったと見せるかと思いきや、何も言わなかった。言われっぱなしで、「日本はどう考えているのか」ということを言わなかった。私はメッセージとして、これはおかしいと思いました。というのは、その前になるのだけれども、菅総理がバイデン前副大統領と電話会談をしました。10分くらいだったでしょうか。 飯田)そのくらいだったという話ですね。