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秋場所Vの正代 懸念される「腰高」はむしろ横綱昇進の大きな武器に

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日刊ゲンダイDIGITAL

「優勝したんだとはわかってはいるけど、まだ自分が追い付いてない感じですね」  優勝一夜明け会見で、こう話したのが9月場所を制した正代(28)だ。  13勝2敗で殊勲賞と敢闘賞に加え、自身としても熊本県出身力士としても初めて掴んだ賜杯。直近の3場所は32勝で大関昇進基準の「3場所33勝」には1勝足りないものの、優勝が評価されて大関昇進は決定的だ。  ちなみに正代のしこ名は本名。大関に昇進しても「珍しい名字だと、今はこれで定着している。変える気はない」という。  もっとも、近年は大関に昇進してから足踏みする力士が多いのも事実。大関の優勝は2017年1月場所の稀勢の里(現荒磯親方)が最後だ。朝乃山はまだ2場所しか大関を務めていないが、貴景勝は優勝どころか一度は陥落している。  さらに角界でも正代の相撲について、「腰が高い」という指摘が少なくない。「頭から当たっていく相撲を取るべき」という声もある。  古株の角界OBは「何も変える必要はない」とこう続ける。 「正代は両腕を脇につけ、胸からぶち当たる立ち合いです。脇が締まっているので、相手は差しにくい。正代は腕を潜らせるような形で下から差す。上半身が無防備なので胸を押したり突いたりすればいいじゃないかと思う向きもあるだろうが、それでは正代の餌食になるだけ。体が非常に柔軟なので、上体がのけぞっても下半身はきちんと相手と正対している。千秋楽の翔猿戦で土俵際で見せた粘りがまさにそれです。下手に攻めると自分の脇がガラ空きになり、逆に正代に差されてしまう」  コロナ禍による稽古量減を補うべく筋力アップに励み、現在は170キロ。初場所から5キロ増量し、パワーと圧力も増した。 「もし、他の力士が正代のマネをしたら、すぐに腰を痛めますよ。その意味では正代の立ち合いは唯一無二の型といってもいい。足腰のケガさえなければ、さらに上も目指せる。それだけに下半身のケガが怖い。『腰高を直せ』と言う八角理事長や尾車親方は、むしろ将来のことを心配して言ったのかもしれない」(前出のOB)  柳の枝に雪折れなし、ということわざもある。力強さと柔軟さを武器に横綱まで駆け上がる可能性もあるというのだ。

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