阪神D2・伊藤将、矢野監督のキャッチ熱望!出どころの見えにくさ実感して
矢野監督を招く! 僕の投法を見てください! 阪神のドラフト2位・伊藤将司投手(24)=JR東日本=が14日、鳴尾浜での新人合同自主トレに参加。練習後にオンライン取材に応じ、春季キャンプのブルペンで矢野燿大監督(52)に受けてもらうことを熱望した。開幕1軍、先発ローテ入りに向け、直接アピールする。 青空が広がる宜野座のブルペンに立ち、18・44メートル先でミットを構える矢野監督の姿をイメージした。自分の球、特徴的なフォーム、そして、思いを受け取ってほしい。伊藤将は鳴尾浜から指揮官にラブコールを送った。 「矢野監督もキャッチャーをされていたので、(ブルペンで)自分の球も捕ってほしいなと思います。自分の(出どころの)見えにくいフォームを実感してもらえたらいいな、と思う」 2月1日から始まる春季キャンプではドラフト1位・佐藤輝(近大)らとともに1軍の宜野座行きを内定させている。今年は第1クールから実戦形式のシート打撃などが予定されているが、そこへの切符を得るためには、まずはブルペンでの投球練習で、首脳陣にアピールすることになる。 自分の特長を知ってもらうためには、肌で感じてもらうことが一番。矢野監督は就任1年目の2019年の春季キャンプで2年目だった馬場の球を受けたことがある。当時、「(ブルペン捕手が)おれへんかったから。受けたくないんだけど。目が慣れないし、老眼で見えないし」とジョーク交じりに話していたようにミットを構えることは珍しい。名捕手として03、05年のリーグ優勝に貢献したといえども、今は監督という立場にある。重い扉を開けることができるかどうかは、早い段階で目に留まるような投球を見せ、虎将に受けてみたいと思わせることが第一の条件となる。 もちろん、球を受けてもらうことが最大の目的ではない。そこからが本当の勝負になる。矢野監督をうならせることができればアピールに成功。できなければ、いきなり壁に当たることになる。 昨年のドラフト会議直後に「来年からすぐに使えると思って指名している」と言ってくれた指揮官の期待に応えたい。積極的に売り込む。それが異例の「矢野捕手」を求める声となったわけだ。 今季の先発ローテ争いは激しい。左腕に限ってもロッテから日米通算95勝のチェンが加入し、昨季5勝の高橋もシーズンを通した活躍を狙う。新人からすればスタートが肝心。この日の合同自主トレではキャッチボールやポール間走などで汗を流し、伊藤将は「ここまで問題なくきている」と充実の表情を見せた。 「(首脳陣から)期待してもらっているので、自分もアピールしていきたい。阪神にはいい投手が多いので、そのなかで(競争に)勝ち抜いてローテーション入りすることが今の目標です」 独特な投法のよさは捕手、打者が一番わかる。だから、矢野監督を招く。ハートをつかむ。開幕1軍、ローテ入りに向けて、確かな道を作る。(織原祥平) ★2019年の「矢野捕手」VTR 2月6日の沖縄・宜野座キャンプ。ブルペンに足を運んだ矢野監督は就任後、初めてミットをつけ、2年目の馬場の捕手役を務めた。「ナイスボール!」と声を掛けながらの26球。馬場は「集中して投げられた」と感謝。1年後の昨季は自己最多の32試合に登板し、防御率2・08と飛躍を遂げた。