【食事の感想】普通の人は「おいしいです」。では、感じのいい人は何と言う?
この連載は、日本郵政や法務省、日本コカ・コーラ、日産自動車など多くの省庁や企業で講演や研修を担当し、15年間にわたって約7万人の老若男女にコミュニケーションを教えてきた『オトナ女子のすてきな語彙力帳』の著者、吉井奈々さんによるものです。 本書の読者からは、 「言葉の引き出しが増えた!」「載っている言葉を1つでも多く使いたいと思った」「繰り返し読みたい本になりました」 といった感想がたくさん届いています。 相手も自分も大切にするコミュニケーションのヒントが満載の本書から、おいしさを伝える表現をご紹介します。 ● 感じのいい人は「おいしいです」にちょい足ししてる 日常の食卓やレストランでの外食など、おいしいなと思ったら、何と言っていますか? おそらく多くの人は 「おいしいです」 と言っていると思います。 もちろん間違いではありませんが、いつも同じ感想だなぁと思いませんか? そんな時は、 「シャキシャキしていておいしいです」 など、五感を使って伝えてみましょう。 オノマトペを使って食感を伝えるのもいいですね。 「トロトロで最高!」 「生地がフワフワ~」 「ホクホクで幸せ」 これなら、難しいことを考えずにすぐに言えると思います。 モチモチ、プリプリ、サクサク、カリッカリ、ツルツル など、少し付け足すだけで豊かな表現になります。 ● 香りを伝えるのも素敵 「すごくいい香りですね」 「季節の香りがしますね」 このように香りを伝えるのもよいですね。 ほかにも、 ・スモーキー ・スパイシーな香り ・柑橘系の香り ・磯の香り ・南国の香り ・フルーティーな香り ・鼻から抜ける香り ・臭みのない といった表現があります。 ちなみに料理をほめるときには、「匂い」ではなく「香り」を。「すごい匂いですね!」と言うと誤解されるかもしれません。 ● ちょっとした変化球の表現 「〇〇したて」で表してみるのもおすすめです。 「焼きたてがいちばんですね」 野菜は採れたて、魚は釣りたてなど、新鮮さを表すのもいいですね。 ほかにも料理の感動を伝えるのも素敵です。 たとえば、 「やみつきになります」 「口の中が幸せでいっぱいです」 など、おいしい物を食べて、自分の心や体、細胞が喜んでいる様子をシンプルに伝えましょう。 「幸せ」「うれしい」「喜んでいる」などのポジティブな言葉をセレクトするのがおすすめです。 ● 他店の味と比べない 料理の作り手や、連れてきてくれた相手を立てたくて、つい「〇〇のお店とは格が違いますね!」と他店との比較をしてしまいがちですが、それはNG。ひょっとすると、相手やまわりの人はそのお店が好きかもしれませんし、もしかしたら関係者という場合も考えられるからです。だれかを下げて、だれかを上げるようなほめ方は避けましょう。 ● 何よりも「おいしい」のひと言を おいしさの表現で大切なのは「喜びを素直に表現すること」と「背伸びしないこと」。思わずあふれ出す「おいしい」のひと言に勝るものはないですし、料理の作り手や同席している相手にも喜びが伝わります。 明るく「おいしい!」や、しみじみと「あ~おいしい」、ウィスパーボイスで「……おいしい」と言ってみるなど、変化をつけてもいいですね。 (本記事は『オトナ女子のすてきな語彙力帳』をもとに編集しています)
吉井奈々