他人の脳から脱出するため攻防 ブランドン・クローネンバーグ監督『ポゼッサー』予告編
3月4日公開の映画『ポゼッサー』の予告編が公開された。 本作は、デヴィッド・クローネンバーグの息子ブランドン・クローネンバーグの、『アンチヴァイラル』から8年ぶりに発表した長編第2作目。他人の意識と肉体を乗っ取りミッションを遂行する暗殺者の女性と、乗っ取られた側の男の攻防を描く。 【写真】ほか場面写真多数 公開された予告編では、「この映画の本質に気づかなかった人は幸福な人だ」「全世界が言葉を失った戦慄のSFノワール」というテロップから幕を開ける。続けて、暗殺者のタシャ(アンドレア・ライズボロー)がある黒人女性を乗っ取り男性を喉元をめった刺しにするという衝撃的なシーンの一部が。本シーンでは、イタリアン・ホラーの巨匠ダリオ・アルジェント監督の『オペラ座/血の喝采』の技術面を参考にしたという。タシャには、幼い息子と別れたパートナーの男性がおり、暗殺者である自分の正体を二人に隠している。そんなタシャに、上司ガーダー(ジェニファー・ジェイソン・リー)は、「次は大型契約よ」と告げる。次なる標的は巨大企業のCEOであり、その令嬢の婿コリン・テイト(クリストファー・アボット)に入り込み、暗殺を行うという筋書きのようだ。 続くシーンでは、他人の潜在意識と肉体を“POSSESS/所有”する過程を可視化したスタイリッシュかつ刺激的な描写が挟み込まれる。その後、テイトに乗り移って暗殺を遂行しようとするタシャだったが、他人の脳から脱出するためには、その脳を破壊しなければならない。口の中に銃を突っ込み、引き金を引こうとするタシャだったが、どうしても撃つことができない。テイトの脳から抜け出せなくなったタシャは、その異常事態に慄き「私に何をした。私じゃない」と呟く。同じ肉体の中で激しくぶつかり合うタシャとテイトの攻防が、眩い光の点滅、流動する人体の輪郭と、フィジカルな特殊効果により描かれていく。
リアルサウンド編集部