「障害のある兄弟姉妹の面倒を一生みなければダメ?」自身も「きょうだい児」の女性弁護士(42)「将来はよろしくねと幼少期から言われがちだから」
藤木さん:昔はきょうだい児の活動に対して、「障害のある本人が大変なんだから、そんな活動をするな」という反対の声が強かったんです。今はヤングケアラーが注目されたり、発信しやすい世の中になってきて、個人の自由を大切にしようという機運を感じます。私ができることは今後も発信を続けて、みんなで話し合って行動していくことしかありませんが、「自分の行動を誰かに強制されることは絶対にない」ということは、きちんと伝え続けていきたいと思います。
PROFILE 藤木和子さん ふじき・かずこ。弁護士、手話通訳士。1982年生まれ。東京大学卒業。5歳のときに3歳下の弟の聴覚障害がわかり「きょうだい児」となる。現在はきょうだい児の立場の弁護士として発信や相談などの活動を行う。「全国障害者とともに歩む兄弟姉妹の会」副会長、「聞こえないきょうだいをもつSODAソーダの会」代表を務め、「シブコト 障害者のきょうだいのためのサイト」共同運営にかかわる。著書に『きょうだいの進路・結婚・親亡きあと 50の疑問・不安に弁護士できょうだいの私が答えます』(中央法規出版)など。
取材・文/小新井知子 写真提供/藤木和子
ちゃんと 編集部