「わかりやすくする必要はない」池上彰・新館長が語るミュージアム像
今年8月に亡くなった編集者・著述家の松岡正剛さんが初代館長を務めていた角川武蔵野ミュージアム(埼玉県所沢市)の新館長に、ジャーナリストの池上彰さん(74)が就任し、13日に記者会見を開いた。「所沢を埼玉県の知や文化の拠点にしていけるような、そんな起爆剤になる施設にしていきたい」と抱負を語った。 【写真】新館長に就任した池上彰さん=2024年12月13日午後1時49分、埼玉県所沢市東所沢和田3丁目、宮島昌英撮影 就任は11月1日付。松岡さんの死後、館長就任を依頼されたという池上さん。10月に初めてミュージアムを訪れ、「図書館なのか美術館なのか、博物館なのか。ごちゃまぜのありとあらゆる要素が入っていて、新たな融合が生まれる可能性に魅了された」といい、その場で就任を承諾した。 松岡さんとは生前、宗教と世界をテーマにしたシンポジウムで共演し、「ものすごい知の巨人」という印象を受けたという。「とても松岡さんの後を継ぐことができない」と謙遜しつつ、「松岡ワールドを引き継ぎながら、私の色合いも少しずつ出していければ」と話した。 ニュース解説では「わかりやすく」をキーワードにしているが、館内ではあえて「わかりやすくする必要はない」と言っていきたいという。
朝日新聞社