独身の老後資金はいくら準備すべき? 統計でみる生活費・年金の現状と対策
「人生100年時代」と言われる昨今。長い老後を考えるなかで、具体的に老後資金がいくら必要なのか、年金はいくらもらえそうなのか不安に思う人は多いのではないでしょうか。 特に独身者は、老後の備えについてあらかじめ調べておかないと、いざというときに困窮しかねません。 この記事では、定年退職を控え、この先年金でやっていけるのか、いくら不足しているのか不安になっている独身者の方向けに、目安となる金額や不足しないための対策、今から始められる資産運用などについてふれていきます。
独身者に必要な老後資金の目安は?
独身者に不安が多くのしかかる「老後資金」は、いくらぐらい用意しておく必要があるのでしょうか。この章では、総務省や厚生労働省などが出している老後にかかる生活費、貯蓄額、年金受給額などのデータを参考にしながら老後資金の目安となる金額を探っていきましょう。 (1)統計で見る老後の生活費 まずは老後にかかる生活費を男女別に見てみます。 総務省が実施した「2019年全国家計構造調査」によると、1カ月にかかる生活費は、消費支出と非消費支出を合わせて男性16万2,603円、女性14万9,145円です。 消費支出とは、食料・外食・住居・水道光熱費・家具・家事用品・被服及び履物・保健医療、教育・娯楽・交通・通信・教育娯楽・交際費などのために支出したお金のことです。
これに対して非消費支出とは、税金や社会保険料などへの支出をいいます。 この項目のうち、注意して見る必要があるのが「住宅費」です。 男性が13,045円、女性が16,310円とかなり低い数字となっていますが、これは対象者の持ち家率が高かったからです。 特に独身者は賃貸物件に住んでいる場合が多いので、毎月支払っている家賃との差額を上乗せして考える必要があるでしょう。
(2)男女別に見る老後資金の目安 上記の統計をベースに、老後資金の目安を算出してみましょう。 厚生労働省が公表している「令和2年簡易生命表」によりますと、男性の平均寿命は81.64歳、女性の平均寿命は87.74歳となっています。 定年を迎える65歳の時点から、平均的な寿命を迎えるまでの年数を考えると、男性は16年間、女性は22年間となります。これをベースに、以下の通り男女別の老後資金を計算してみます。 ・女性の場合にかかる生活費 一般的な65歳以上無職単身世帯女性の1カ月の生活費は、消費支出と非消費支出を合わせて14万9,145円です。1年で178万円、22年で最低でも3,937万円程度は生活費がかかる計算になります。 ・男性の場合にかかる生活費 一般的な65歳以上無職単身世帯男性の生活費は、消費支出と非消費支出を合わせて16万2,603円です。1年で195万円、16年で最低でも3,121万円程度は生活費がかかる計算になります。