和田正人&駒木根隆介&本家が奇跡のアッセンブル! “2組のタモンズ”「くすぶり」座談会
■頑張れ、中年おじさん! 4人が熱い思いを語る
――タモンズさんは以前YouTubeで、年齢を重ねるとともに漫才がウケるようになってきたというお話をされていました。本作はそういった意識が生まれる“前”のお話になるのでしょうか? 安部:映画でやってたネタって、ほんまに2年目とかのなんです……。 大波:あのネタは、駒木根さんがさっき言ってくれた1人(にウケるネタ)じゃなくて、もう0。目の前の人間(=観客)というか、舞台袖の芸人の笑い声だけでいいって思ってたんで、もうプロじゃない。でも、年齢とともに生活もしていかなあかんなって。やっぱりお客さん笑わさなって……大人になりました。 安部:8年目ぐらいまであんなネタばっかや。大波はそういうちょっと鋭利なネタの方が好きやけど、僕はちゃんとウケたい人やから、コンビの間でも違う。だからもう、正解を目の前のお客さんにするしかないっていうか、笑かしたらそれが正解やっていう。 大波:当時ルミネ(=吉本の劇場「ルミネtheよしもと」)を見に行っても、笑い飯さんや千鳥さん、ウケてないんです。本当に尖りすぎてウケてないけど、袖が笑ってて、「カッケー……!」って。まあ若かった(笑)。 安部:この映画は、そんな大波が無理して僕に合わせて、ストレス溜まりまくってた時期を描いてるんです。 ――では最後に、これを見た方にどんなことを感じてほしいですか? 大波:僕はこの映画を見て、才能がそんなになくても、仲間がいたらなんとかやれるのかなっていうのは思いました。何かを頑張る人は周りの人に優しくして、良い仲間を得られたらいいんじゃないかなっていうのを感じられる映画になっていると思います。 和田:俺、この映画見て改めて、出てる役者が全員中年のおじさんばっかりやなと思って(笑)。マジでこの映画見て、みなさん、世の中の中年のおじさんに優しくしてあげてください。もちろん我々役者と芸人さんたちもそうですけど、世の中のおじさんたちを本当に応援してほしいです。これまでの日本を支えてきた、今まさに日本を支えているおじさんたちに、ぜひ頑張れと一言声をかけてください。そんな映画です。 駒木根:この映画は話だけを単純に追いかけると、何もうまくいってないっていうか、決してサクセスストーリーではない。でも、どういう過程を経て現在にいきつくのかというのがとっても大事なんだなっていうのを、誠実に描いている映画ではあると思います。渦中にいるときは気づかないこともありますけど、僕は非効率的なことが好きなので、何か非効率的なことを目指してる方には、すごく共感できる部分がある作品だと思う。いろんな人に見てもらいたいですね。 安部:(劇中の)昔のネタは尖っちゃってて……だいぶモーニング娘。さんの悪口言ってましたね、なんか(笑)。若気の至りということで勘弁していただきたい、と言っておきたいですね。 (取材・文:小島萌寧 撮影:上野留加) 映画『くすぶりの狂騒曲』は公開中。タモンズ単独ライブ『DEADSTOCK』が1月22日に座・高円寺2にて開催される。