和田正人&駒木根隆介&本家が奇跡のアッセンブル! “2組のタモンズ”「くすぶり」座談会
■大宮セブンが明かす裏話「囲碁将棋の文田さん、実は…」
――今回、漫才をされるシーンもありましたがどんな練習をしたのでしょうか? 和田:うちにカラオケ用のスタンドマイクがあったので、それをサンパチマイクがわりにして……。 駒木根:完全に自主練で。撮影が始まる前の準備期間に2人で連絡を取って。 和田:この映画、吉本興業さんが作られてるんですけど、なんか……投げっぱなしなんやなって(笑)。 安部:ほんま弊社がすんません!(笑) 和田:こうやって皆さん鍛えられていくんだなって僕らも疑似体験させていただきました。普通、(タモンズと)1回会う機会を作ってくれて、ちょっとアドバイスとかあるかなと思ったら、もう全く無かったんです(笑)。 駒木根:だから、今回大宮セブンを演じたみんなの自主性はすごいですよ! ――大宮セブン役のみなさん、全員再現度がすごかったので、それぞれご本人とお話されていたのかと……。 和田:多分ですけど、ご本人とお話してるのは僕らだけですね(笑)。 駒木根:逆に良かったかもしれないですから(笑)。 和田:プレッシャー感じすぎてしまいそうですからね。 ――タモンズさんは本作について大宮セブンの皆さんとお話はされましたか? 大波:しましたしました。 安部:やっぱりみんな大宮に詳しいから、なんか変なとこが気になってました。駒木根さんが路地をバーッて走っていったら急にさいたま新都心に出たりするから、それは違うだろ! みたいな。 大波:和田さんと(囲碁将棋の)文田(大介)さん役の方(=東虎之丞)は良いシーンがあるんですよ。大波がへこんでて、文田さんが励ますっていう。あのシーン、大栄橋っていう橋を上っていくんですけど、あの向こう風俗街なんですよ。あんなええこと言ってたのに、文田さんは風俗街に行っているっていう。 和田:あの後大人のお店に行ってたんや(笑)。 ■お笑いと演技、それぞれの目線で語るリアル ――本作のなかでは、コンビの“アツい”シーンもたくさん登場しました。あれはズバリ実話なんでしょうか? 大波:そうですね、実話……ってことにしといてください。 安部:よくやってますよ? さいたま新都心で奇声を発しながら、道路挟んで漫才するとか(笑)。 大波:でも、仲間の感じは近いですね。このメンバーがいなかったらもう(お笑いを)やってない可能性が高いです。みんなそれぞれ、仲悪くなった時には間に誰かがそっと入ってくれて、みたいな関係ではあります。 安部:リアルなことを言うと、タモンズ2人を仲裁して、僕らを引き戻してくれたのは映画で描かれた通り(囲碁将棋の)根建(太一)さんやった。囲碁将棋さんは僕らに1番近い兄さんやったんで、僕らの関係性にぐいっと入ってきてくれる先輩。で、他の皆さんは温かく周りで見守ってくれる。その感じをすごく忠実に再現してますね。 ――今回、“芸人界”を演技で疑似体験されたお2人にお聞きします。芸人と俳優というのは似ているものだと思いましたか? それとも全然違いましたか? 和田:全然違いますね。やっぱりお笑い芸人さんたちって、全てが“自分たち”なんです。ネタを考えるのも、演じるのも、笑いを取ってるのも全て自分たちだけ。そのかっこよさというか、責任を全部自分で背負いながらやってる感じ、すごいなと思います。我々はあくまで、みんなでひとつのものを作っています。だから、僕たち1人が何かを背負うっていうことはあまりないんですよね。そういう意味では、逃げ道はたくさんあって。だからもしかしたらこの仕事に対して人生をかけている覚悟は、役者よりも芸人さんたちの方が強いんじゃないかなっていうのは感じましたね。 駒木根:ほんとそう思います。“一国一城の主”感ありますよね。この映画の中でも出てきますが、自分たちが本当に面白いと思っているものと、大衆性とのバランスって必ずあると思うんです。でも、例えば観客が100人いて、その平均値を狙わなくてもいい、1人が笑ってくれればいい、という価値観は、芸人さんにとって自由で。それが、時代とどうぶつかるかというのは別として。俳優はどこまでいっても客観的っていうか、例えば自分が本当に良いと思ってるものが誰か1人にしかわからないっていうのは、俳優としての在り方としては違うような感じもする。 和田:うん、多分(仕事に)呼んでもらえなさそう。