なぜ仕事がデキる人ほど「無能な上司」になってしまうのか…善意のつもりが「部下に最も嫌われる」行動
■部下は「自分の所有物」ではない ここで少し距離を取って、俯瞰的にイメージしてみてください。 例えば、あなた直属のチームではなく、隣のチームで次のような事態が起きているとします。マネジャーとメンバーの人間関係がギクシャクして、マネジャーはいつもイライラして部下を無能扱いしています。メンバーも明らかにマネジャーを嫌っているのが伝わってくるとします。 きっと、対岸の火事のように「まぁ大変だよね。でも、そういうプロセスがあるから人って成長するよね、もっと部下の話を聞いてみたら?」と優しく考えられるのではないでしょうか? 対岸の火事だと優しくできるのに、自分に火の粉がかかるとイライラしてしまう原因はマネジャー個人の正しさや思い込みであり、それを押しつけてしまう理由はマネジャーがメンバーを「自分の所有物」だと考えているからかもしれません。 最初にはっきり言います、この考え方は危険です。 メンバーが成果を出せなかったり態度が良くないのは、すべてマネジャーのマネジメントの質の結果と考えるようにしましょう。メンバー自身がマネジャーからもっと学びたいと思えていないのです。 もしもメンバーのパフォーマンスが低いのであれば、それはマネジャーの責任だと考えるようにしましょう。プレイヤーとしては優秀でも、マネジャーとしてはその優秀さを発揮できていないのです。 「チームで起こるあらゆる現象は、マネジャーの心の投影」と認識しましょう。 ---------- 橋本 拓也(はしもと・たくや) アチーブメント取締役営業本部長、トレーナー 千葉大学卒業後、2006年人材教育コンサルティングの「アチーブメント」に入社。2021年に執行役員、2022年に取締役に就任。130人以上のメンバーマネジメントに携わる。これまで研修で担当してきた受講生は2万人以上。著書に『部下をもったらいちばん最初に読む本』(アチーブメント出版)がある。 ----------
アチーブメント取締役営業本部長、トレーナー 橋本 拓也