負傷交代で涙…巨人のガッツマン・増田陸が「最も輝く打順」は?
育成からはい上がって
巨人の未来を背負って立つ男だ。増田陸は今どきの若者に珍しく、プロ野球の世界で成功したいというギラギラした思いがプレーににじみ出ている。 【選手データ】増田陸 プロフィール・通算成績・試合速報 6月22日のDeNA戦(東京ドーム)。8回に自打球を左ヒザ付近に当てるとその場に倒れ込んだ。トレーナー、三塁コーチャーを務める元木大介ヘッド兼オフェンスチーフコーチ、ベンチから阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチが駆けつけたが、増田陸は苦痛に顔をゆがめながらも一塁ベンチに戻らない。その場で患部にアイシングスプレーをかけてもらっただけで打席に立った。空振り三振に倒れて途中交代になると、ベンチで涙をぬぐっていた。グラウンドに立てない自分への悔しさがあったのだろう。 一軍の舞台に立てるのが当たり前ではない。常に危機感と隣り合わせの増田陸はハングリー精神が強い。それは入団してからの歩みも大きく影響しているのだろう。プロ1年目の2019年6月下旬に有鈎骨骨折と三角線維軟骨複合体損傷の手術を受け、21年オフに育成契約に。今年1月の坂本勇人と行った自主トレでは高3の夏以来となる丸刈り姿で再出発した。 春季キャンプは三軍で迎え、2月15日に二軍へ、4日後の19日に一軍昇格すると練習試合、オープン戦で打率.308をマークし、3月11日に再び支配下に昇格する。5月5日にプロ入り初の一軍昇格を果たすと、途中出場の少ないチャンスで結果を出して、中島宏之、中田翔ら球界を代表する選手たちを押しのける形で一塁のレギュラーに定着。6月3日のロッテ戦(東京ドーム)では佐々木朗希から初回に先制の右中間適時二塁打を放つと、4日の同戦でも7回一死二、三塁で同点に追いつく中前適時打を放ち、逆転勝利に大きく貢献した。
2日連続のお立ち台では「オフに育成になって自分自身悔しかったですし、自分の人生を変えたいと思って、日々必死にやっていて、ガムシャラやっている結果。これからも続けていきたいと思います」と今年にかける熱い思いを吐露。巨人ファンから大きな拍手を受けた。