数減らす205系が現役の相模線 実は「JR生まれの国鉄型」 他路線の車両とどこが違う?
JR発足時はまだ非電化だった相模線
茅ヶ崎駅(神奈川県茅ヶ崎市)と橋本駅(同・相模原市)を相模川に沿うように結ぶJR相模線は、全ての車両に205系電車が使われています。 【写真】前面デザインが異なる205系は各地に 205系は1985(昭和60)年から、山手線や横浜線、埼京線など首都圏の主要路線向けに製造されました。1987(昭和62)年に国鉄が分割民営化され「JR」となった後も製造が続きましたが、くくりとしては一般的に「国鉄型車両」に分類されます。 そのようななか、先述した相模線の205系はJR時代に入ってから製造された車両。いってしまえば「JR生まれの国鉄型」です。国鉄が分割民営化された当時、相模線は非電化路線でディーゼルカーが走っていました。そののち1991(平成3)年に全線電化。これにともなって205系が新造、導入されたのです。なお相模線の205系は「500番台」に区分されます。 最初の製造から5年以上、JRの発足から4年ほどが経過して誕生した500番台は、従来の205系とは異なる点がいくつかあります。
新機能が搭載された205系 お下がりではない
相模線の205系は、先頭車両の前面デザインが大きく変更されているのが特徴で、その見た目はほかの路線で使用されている205系とは異なります。また、客室内の保温性を向上させる観点から半自動ドアスイッチが設置されたり、車体の前面下部に線路上の障害物をはねのけるスカート(廃障装置)が当初から装備されたりするなど、設備やサービス面でも改良が加えられています。 2020年代の首都圏では、特急形車両を含めても国鉄型車両に乗れる機会が減っています。205系に限れば相模線のほか、武蔵野線や宇都宮線(主に宇都宮駅以北)、鶴見線など、その姿を見られる路線はそう多くありません。しかしこれら相模線以外の路線では、すでに新型車両への置き換えで数を減らしていたり、元々は別路線を走っていた205系を改造した、いわば「お下がり」だったりと、当初から在籍した編成はわずかです。 一方で相模線は、独特なデザインなどは一見すると別形式と思いがちですが、導入当初から在籍するれっきとした205系です。なお、2021年には運行開始から30年を迎えますが、2020年8月現在、置き換え計画は発表されていません。 ※一部修正しました(9月1日19時15分)。
乗りものニュース編集部