「また格闘技を盛り上げるには…」武尊が影響を受けた棚橋弘至の本とは?
TOKYO FMで月曜から木曜の深夜1時に放送の“ラジオの中のBAR”「TOKYO SPEAKEASY」。10月28日(水)のお客様は、K-1ファイター・武尊さんとプロレスラー・棚橋弘至さん。K-1の低迷期に武尊さんが起こした行動とは?
◆「知り合いに勧められて…」(武尊)
武尊:僕、本当に棚橋さんのプロレス人生というか、そういうのをすごい参考にさせてもらっていて。それこそ、プロレスは猪木さんのときからすごい盛り上がって、1回、闘魂三銃士の時代が終わった後くらいから、ちょっと低迷した時期があったじゃないですか。 棚橋:そうだね。2000年代前半からググっと観客動員も苦しくてね。 武尊:それで、プロレス中継とかもなくなったり人気が低迷しちゃって。 棚橋:そうだね。金曜8時から深夜帯に移って、それから徐々に……。やっぱりテレビの影響っていうのは大きくて、深夜帯だと大人は観れても子どもは観られないじゃん。 武尊:そうですね。 棚橋:そうすると、プロレスを知っている子どもがいないということは、プロレスファンが増えないってことなのね。それで、だんだんプロレス業界の規模自体が小さくなっていったのね。 武尊:そうですよね。それこそ僕(棚橋さんの)本も読ませてもらっているんですよ。新日本プロレスを復活させる内容の。 棚橋:「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」。あの名著を読んだわけね。 武尊:ご自分で言われる……(笑)。でも本当に良い本で。 棚橋:マジで! すごい嬉しいじゃん。 武尊:僕はK-1を目指して東京に出てきたんですけど、その年にK-1が消滅しちゃって、目指していた場所がなくなって。“K-1を復活させて、また格闘技を盛り上げるにはどうしたらいいんだろう”って考えたときに、知り合いの人に勧められて棚橋さんの本を読んだんですよ。 それで、すごく影響を受けて。それこそ、地方に行って地方のファンを増やしたりとかメディアの活動をしたりとか、知名度を上げてイメージを変えるところからやっていく、みたいなのを。 棚橋:そうだね。まずプロレスっていうのは、やっぱり“大人の男子が楽しむもの”っていうイメージがあって。それで、特に女性の方からは“痛そう”とか“血が出るんでしょ?”とかね。乱暴なイメージというか、あまり良くないイメージがあったので、プロレスのイメージを“1から変えないといけない”。そこがスタートだったかな、僕にとってはね。 武尊:そうですよね。なので、それにすごい刺激受けて、そのときはK-1もなくて、格闘技のイメージもすごく悪いイメージになっちゃっていた時代だったので。 棚橋:そうね。リング外でいろいろあってね。でも格闘技のイメージ自体は悪くないと思っているよ。変わってないと思う。 武尊:なるほど。なので、僕も(K-1の)イメージを変えて認知度を増やして、ファンを増やすところから始めないと、K-1も復活させることができないし人気も大きくできない、っていうのをすごく考えるようになって。それからメディアの活動をするようになったり、芸能活動をやったり地方のイベントにいっぱい出たり。 棚橋:偉いね。 武尊:そうしたら、いまではK-1がどんどん人気になるようになってきて、お客さんも増えてきたっていうのがあったので。だから、僕は棚橋さんに結構影響を受けています。 棚橋:ありがとう。いや本当にテレビでしかK-1選手を見ることができなくて、K-1選手の人柄とか、プライベートではどこ行ってるんだろう、とか。そういうパーソナルな部分が、武尊選手の発信から伝わると感情移入しやすくなるよね。 K-1選手以前に、武尊選手という人間に興味を持ってもらうと、そこから武尊選手がやっているK-1にも興味を持ってもらって、そこに感情移入が生まれて“応援しよう”とか“観に行こう”っていう動機に繋がると思うから。もうね、正解を掴んでるよ。 武尊:いやぁ、ありがとうございます。それこそ、K-1の関係者の人だったかな? 誰かに言われたんですけど、「武尊は“K-1の棚橋”にならないとダメだ!」って言われたんですよ。 棚橋:おぉ! ちょっと今の……うれしーい!! 武尊:アハハ。 棚橋:今の言葉で白いご飯3杯イケる! 武尊:ハハハ! それを多分4、5年前とかですかね、K-1が復活したぐらいのときに、ある人に言われて。それからすごい意識して、棚橋さんのことをいろいろ勉強するようになりました。 棚橋:そうなんだ! 嬉しいな。 (TOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」10月28日(水)放送より)