優待株のJT、買う前に絶対知っておきたい「株価動かす3大リスク」
日経平均株価が長期的に横ばいで推移する中、なんとかパフォーマンスをあげるために、個別銘柄の選定に集中している方もいらっしゃるのではないでしょうか。 【図でカンタン解説】JTはどのような事業を展開しているのか? 株式投資のリターンは、配当や株主優待のほか、株価変動もリターンに大きく影響します。 今回は日本たばこ産業・JT <2914> について、株価を動かす3大リスクを紹介します。
JTの株価動かす3大リスク1. 日本国内でのたばこビジネスの影響
JTはたばこ事業を中心に70以上の国と地域で事業を展開している企業です。 その中でも、日本市場におけるたばこの売上収益は、グループの売上収益に大きく寄与しています。 そのため、たばこ需要の減少や増税・規制など、たばこ事業での外部環境において大きな変化が起こり、何らかの悪影響を受けた際には、国内たばこ事業の収益悪化などを通じて業績が悪化する可能性があります。 こうしたリスクを抱える中、JTは製品ポートフォリオの最適化、営業力の強化などを通じ、日本市場のたばこ売上収益の維持・成長を推進しています。
JTの株価動かす3大リスク2. 積極的な事業の拡大
JTは、たばこ事業以外にも、医薬事業や加工食品事業といった事業を多角的に展開しています。 JTはこういった複数事業に関して今後も投資する計画ですが、その投資に関連し、当初想定されたリターンを得られるという保証はありません。 また、JTはRJRナビスコ社の米国外たばこ事業やGallaher社など、事業拡大に向けてM&Aを積極的に展開してきました。 JTは今後もこのような展開を見せる可能性がありますが、こちらも多角的事業と同様に計画通りのリターンを得られない可能性もあります。
JTの株価動かす3大リスク3. カントリーリスク
JTは世界各国で事業展開しています。 そうした中、特に海外たばこ事業の重要性は増してきています。 しかし、展開する地域の政治・経済・社会・法制度などの変化や、テロ・戦争に伴うカントリーリスクが高まった際には、サプライチェーンや流通網の遮断、資産や設備の毀損などにより、業績が悪化する可能性があります。
まとめにかえて
いかがだったでしょうか。 配当や優待を目当てに株を買ったとしても、株価が大きく動けばリターンも変わります。 とりわけ、今回ご紹介したJTは、上記の通りカントリーリスクの影響を大きく受けている状況です。 JTへの投資を考える際は、今回ご紹介したリスクに気を配ることも考えてみてはどうでしょうか。 【追記】2022年7月29日に追加で編集を行いました。 参考資料 ・日本たばこ産業株式会社 IR情報 ・日本たばこ産業「2021年12月期 有価証券報告書」
石津 大希