韓国の花卉農家「葬儀場よりもデモ現場からの注文で飯を食ってます」
一部の花卉業者は、「謹弔花輪」「祝賀花輪」と共に「デモ花輪」といったキーワードでネット広告を出している。デモ用の花輪は「無料回収サービス」を行う業者もある。ただし事前申告されていないデモ現場に花輪を送る場合、「不法路上積置物」と見なされ、撤去の対象となり得る。花卉業者は「デモ花輪」の注文が入ってきた場合、事前申告された集会かどうかを確認し、「事前申告されていないデモ集会の場合、現場で撤去される恐れがある」と案内したり、あらかじめ注文そのものを断ったりすることもある。 花輪を集会やデモに使用する行為は、現行法上合法だ。憲法裁判所は昨年の選挙期間中に花輪設置を禁止する条項を違憲と判断した。「表現の自由を過度に制限する」との理由からだ。しかし、行き過ぎた花輪デモが「視覚公害」に相当するといった見解も少なくない。実際、昨年共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の拘束令状を棄却したソウル中央地裁のユ・チャンフン判事を糾弾する謹弔花輪200個が瑞草洞に送られた際、「ユ・チャンフン祝死亡」「子孫代々天罰を」といった文句が書かれたリボンが掲げられ、「行き過ぎた人身攻撃」と指摘する声が相次いだ。最近ではソウル市城東区聖水洞の住民たちが、アイドルを糾弾する花輪デモに対し「うちの街は葬儀場ではない」と苦情の声を上げた。 国民大学社会学科のチェ・ハンソプ教授は「追慕の象徴である花輪を政治救護の道具として使う行為に、憎悪と嫌悪までが加わっている」とし「誹謗(ひぼう)性の花輪を『表現の自由』としてどこまで許容すべきか再検討する時を迎えている」と促した。一方、成均館大学社会学科のク・ジョンウ教授は「集団行動で最も重要なことは関心を集めること」とし「花輪デモは比較的平和な手段でメッセージを伝達することで、大衆の耳目を集めることに成功した韓国的文化」とする見方を示した。 ク・ドンワン記者、キム・ドヨン記者、コ・ユチャン記者