「Go To停止は意味がない。コロナ第3波は峠を越えた」京大ウイルス学者・宮沢孝幸氏の見解
自説を唱え始めた「コロナ懐疑派」の研究者たち
――感染者増を受けて、テレビに出演する専門家の大多数は、これまで以上にコロナの恐怖を説いている。一方、アカデミズムの世界では「コロナ懐疑派」の研究者たちも、自説を唱え始めているという。例えば…。 ・第2波が到来した7月時点で、「新型コロナに対して抗体の発動が非常に遅いのは、毒性が弱いため生体が抗体を出すほどの外敵ではなく、自然免疫での処理で十分と判断しているから」と説いた高橋泰・国際医療福祉大学大学院教授 ・「新型コロナはウイルスのなかでは、多少厄介な程度」で「感染しておくほうが、むしろ有利。自粛などしないで、ふつうに生活を送ればいい」と抑制政策を一蹴した免疫学の「世界的権威」、奥村康・順天堂大学特任教授 ・「日本はすでに集団免疫を獲得しているので、欧米に比べ極端に死者が少ない」と話す上久保靖彦・京都大学特定教授 ・「(抗体を)持たない人でも、自然免疫をしっかり持っていればそれほど心配しなくていい。抗体保持率=感染者の割合、ではない。保持率だけを見て、一喜一憂すべきではない」と主張する宮坂昌之・大阪大学免疫学フロンティア研究センター招聘教授 といった面々だ。
「テレビに出る専門家にウイルスのプロはいない」
宮沢氏もそんな1人なのだろう。 「テレビに出る専門家に、ウイルスのプロはいない。私は本当のことを言うから、先日も決まっていたテレビ出演が流れたばかりです(苦笑)。 新型コロナを巡っては、政策は世論に引っ張られ、世論はメディアに誘導される。そんな現状を覆さないと、日本経済は取り返しがつかないことになり、コロナによる死者を遥かに上回る経済死が出かねない……。 今や、肩書きだけの専門家はコロナの恐怖を煽るばかりだが、そんな専門家より小林よしのりさんがウイルスを深く理解しているのは、少なからず驚きでした。協力して、何とか閉塞した日本を変えていきたい」 【宮沢孝幸氏】 京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授。専門は獣医ウイルス学、レトロウイルス学、内在性レトロウイルス学。病原性ウイルスのだけでなく、非病原性ウイルスも研究対象とする。93年、東京大学大学院農学系研究科博士課程を、東大史上初の飛び級で修了。博士(獣医学)。グラスゴー大学博士研究員、東京大学助手、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン客員研究員、大阪大学微生物病研究所助手、帯広畜産大学助教授を経て現職。 <取材・文/齊藤武宏>
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