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420日ぶり白星ソフトバンク大竹「黄金」同期の活躍に悔しさと刺激

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西日本スポーツ

〈鷹番が見た〉

 ◆ソフトバンク3-1オリックス(13日、ペイペイドーム)  左肘の肉離れで出遅れた大竹耕太郎投手(25)が今季初登板初先発で初勝利を挙げた。初回、先頭打者にいきなり被弾する波乱の滑り出しにも動じず、6回途中1失点。木曜日の先発で勝利投手となったのは6月25日のバンデンハークのみ。昨年6月20日以来、420日ぶりの白星は“木曜日の穴”を埋める救世主の予感だ。4連勝で貯金も今季最多の8。お得意様オリックス相手に白星を積み重ね、首位で並走する楽天を突き放す。 【一覧】18年ホークス入団選手  マウンド上ではほとんど変化のなかった大竹の表情が緩んだ。2回に周東が勝ち越しの三塁打を放った場面だ。同じ育成として2018年に入団した同期から贈られた「プレゼント」に、ベンチ前でキャッチボールを続けていた左腕は左手で何度もグラブをたたいて喜んだ。3-1の6回2死二塁で降板し、バトンを託したのも同期の椎野。見事な火消しぶりにベンチで拍手を送った。  「みんなが1軍で頑張っている姿をずっとテレビで見ていた。すごいな、自分も早くあの舞台に行かなくちゃと。それが日々のモチベーションだった」  大竹の同期の支配下5選手のうち4選手が入団2年以内に1軍を経験し、大竹を含めて育成で入った6人中4人が支配下登録を勝ち取った。「大豊作」となる可能性を秘めた世代の中でも、1年目から勝ち星を挙げたのは大竹だけだ。

■左肘肉離れ克服

 2年目の昨季も6月までに5勝を挙げ、防御率も2点台中盤と好投を続けたが、夏場に入ると失速。8月1日の登板を最後に2軍暮らしが続いた。一方で高橋礼は12勝を挙げて新人王を獲得。周東もチーム最多の25盗塁と活躍し、ともに侍ジャパンでも注目を浴びた。巻き返しを期し迎えた今春キャンプ。B組スタートだった左腕はA組に合流した2月上旬に左肘肉離れを発症した。悔しさにあふれた表情が忘れられない。  3月半ばには大竹が育成時代に何度も食事に出掛けた育成同期の尾形とリチャードが支配下登録を勝ち取った。食事の場では野球の話はほとんどせず、共通の好みのスイーツ話で盛り上がった後輩2人の朗報だった。「おめでとう」。左肘肉離れでリハビリ中だった左腕が2人に送ったシンプルなメッセージの裏には「俺も頑張るよ」の思いがあったに違いない。  強い決意は今季初登板となったこの日の投球にも表れた。プレーボールからわずか2球で先頭打者本塁打を浴びたが動じなかった。「昨年は打たれた後にずるずる引きずって点を取られてしまった」。教訓を忘れることなく切り替え、その後は25歳らしからぬ老練の投球を見せた。140キロに達するボールは一球もなかったが、テンポよく打たせて取り、6回途中1失点。先発の谷間とは言わせない好投を見せた。  昨年6月20日のヤクルト戦以来、420日ぶりの白星。工藤監督も「しっかり投げてくれる」と次回以降の先発起用を示唆した。「技術うんぬんではなく相手を抑えるという気持ちがすべて。そこがこれまでの僕に足りない部分」。たくましさを増した左腕のここからが楽しみだ。 (長浜幸治)

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