資金繰り支援効果はもう限界…企業倒産は増加段階へ
4月件数は横ばい
帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が12日発表した4月の倒産件数は、TDBが前年同月比0・4%減でほぼ横ばいの487件、TSRが同1・8%増の486件だった。新型コロナウイルス関連の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)といった資金繰り支援による倒産抑制効果が限界を迎えている模様だ。倒産件数の大幅減から、下げ止まりや反転増の段階に移りつつある。 倒産件数でTDBは11カ月連続の前年同月比減だった。ただコロナ禍以降に続いた倒産件数の大幅減少のペースは落ち着きを見せており、4月の減少率は最小だった。TSRは2カ月ぶりに前年同月を上回った。 負債総額はTDBが同10・0%減の720億1700万円、TSRが同3・3%減の812億5300万円だった。 新型コロナ関連の倒産件数も増加傾向だ。TSRによると、4月は同12・5%増の152件だった。集計を開始した2020年2月以降の累計は3092件に達して、3000件を超えた。 TDBによると、4月のコロナ融資後の倒産件数は同約2倍の32件が確認された。10カ月連続で前年同月を上回った。 4月以降はゼロゼロ融資の返済が本格化する。ただ返済の条件緩和を金融機関に求める企業が増えているという。 燃料価格の高騰も懸念材料となっている。産業別では運輸業の倒産件数が増加している。