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コロナ禍で拡大する“赤字覚悟”の在庫処分。LA在住の女性起業家・三木アリッサさんが指摘する「日本の搾取文化」

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アメリカでは「サポートスモールビジネス」がムーブメントに

――では、アメリカでビジネスを展開する三木さんの視点で、アメリカの人々は「消費」に対して、どのような価値観を持っていると感じますか? 前提として、アメリカは日本に比べて貧富の差がものすごく大きいので、貧困層には当てはまりませんが、中流層以上の人たちは、「自分の身の丈にあったものを持とう」とか「クリエイティビティのあるものを持ちたい」という意識が強い気がします。ミレニアル世代は特に。 例えば、日本にも上陸したアメリカのスニーカーブランド「オールバーズ」は、1つの靴を作る工程で排出される温室効果ガスの数字が表示されていて、これをゼロにすることを目指しています。価格帯は相場よりも高いけれど、すごく人気があるのは、顧客がブランドの理念に共感し、環境にいいモノを買える喜びを価値だと感じているからでしょう。 それらを身の回りに置くことで自分自身の価値が上がり、人生が豊かになる。さらには自分が購入することで、そのブランドや職人さんたちの支援になることを肌で感じられているんだと思います。 日本だと、オタクの文化が近いと思います。アーティストやクリエイターを尊敬しているし、存続してほしいから、ものすごく高くても買いますよね。 ――今回の新型コロナウイルスの状況を受けて、アメリカでは経済的な影響を受けた企業、人たちを支援しようという動きは出ていますか? 一つユニークだと思ったのは、インスタグラムで「#supportsmallbusiness」(サポートスモールビジネス)というハッシュタグを付けて、自分が好きなスモールビジネスをタグ付けして投稿するムーブメントが起きていることです。 値引き戦略ではなくて、「今だからこそスモールビジネスをみんなで応援しようよ」というメッセージが込められた活動を見て、すごく安心しましたね。というのも、スモールビジネスは多様性を生んだり、独自のクリエイティビティを持っている存在だということをみんなが理解しているんだなと感じたからです。 ――アメリカを拠点に生活するようになって、三木さん自身の消費の価値観にも変化はあったのでしょうか? 東京に住んでいたときは、「〇〇していないと不幸」みたいな強迫観念があったんです。脱毛とか美容とか。流行に乗っているのが正義っていう。メイク用品一式やジャケットにヒールなど、好きではないけど「持っておかないと」というソーシャル的に必要なものが多かった。 でも、LAに来てからは周囲に合わせて「自分が心地いいものは何か」を追求できるようになり、たくさんモノを買わなくなった代わりに、1つ1つの好きなモノにお金をかけるゆとりができました。みんな、他人がどんな格好をしていても気にしないんですよね。自己肯定感が高まるような買い物ができるようになり、これは前向きな変化でした。

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