トミー・バストウ、髙石あかりは「会った瞬間に『すごくいい!』」 『ベビわる』も絶賛
2025年度後期連続テレビ小説『ばけばけ』の記者会見が11月28日に松江市・小泉八雲旧居にて開かれ、ヒロイン・トキを務める髙石あかりと夫・ヘブン役で共演するトミー・バストウ、制作統括の橋爪國臣が登壇した。 【写真】トミー・バストウの手書き日本語 朝ドラ第113作目となる本作は、松江の没落士族の娘・小泉セツをモデルにした物語。昨日、11月27日にセツの夫・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)をモデルとした役を演じるのが、バストウであることがNHK大阪放送局で発表になったばかり。2人はその足で舞台地・島根県松江市を訪問し、小泉八雲旧居にて会見に応じた。 冒頭に行われたフォトセッションから、和気あいあいとした2人の温かな雰囲気が滲む。昨夜飛行機で島根に到着し、本日朝から松江を巡ってきたという髙石とバストウ。髙石は一番最初に訪れたのが松江大橋だったと回想しながら、「街並みの雰囲気が残っていることもあって、きっと小泉セツさんと八雲さんは、住んでいるところから、相手のおうちだったり、宿が見えていながら、生活をしていたのかなと思うと感慨深かったです」とコメント。島根のイメージを聞かれると、「怪談のイメージがある」と前置きしながら、「松の木がたくさん生えていることもあって、自然の温かみみたいなものを感じました。夜になるとちょっと怖いのかなとか、いろいろ考えました」と笑顔で話す。 バストウが「神秘的な雰囲気がありました。思った通りに寒い」とストレートに感想を答えると、会場が笑いに包まれ、それに髙石が「この季節はどんよりしているのか。今日は虹も見えましたし、雹なのか雷もありましたし、すごい1日でした」と荒天の中での松江訪問だったことを補足していた。 松江での縁の地を巡り、髙石は小泉八雲のイメージが膨れ上がっていくと同時に、それが自身が演じるトキのモデルとなる小泉セツを知ることでもあると自身の考えを述べる。「もっと深掘りしていって、もっと2人が大好きになりたいなと思いますし、それが役作りになるのかなと思っています」と伝えた。 お互いの印象を聞かれた2人は、髙石がバストウについて、「優しいオーラで包まれている方で、真摯にこの作品だったり、八雲さんに向き合っていて、そういうところも尊敬しますし、これから2人の空気感をゆっくり作っていけたらいいなと思います」と答える。続けて、バストウは髙石の代表作に数えられる『ベイビーわるきゅーれ』シリーズを話題に挙げ、「素晴らしい演技に惹かれました。会った瞬間に『すごくいい!』と思いました。一緒に役を作っていくことを楽しみにしています」と意欲を見せる。 東京の雑司ヶ谷霊園には、小泉セツと小泉八雲の墓がある。八雲は虫を愛した作家で、生前に生まれ変わったら「蚊になりたい」と話していたという記録があるそうだ。バストウは霊園に行った際に蚊に刺されたとのことで、髙石は「小泉八雲さんに刺されたんだ」ということを松江を巡っている最中にバストウから聞き、それがチャーミングだと思ったと笑顔で話す。「言語交流とか文化交流は面白くなりましたね」というバストウは、髙石から「沁みるわ」という日本語を教えてもらったと明かした。10年前に日本語を勉強し始めたバストウ。まだ片言の日本語を親切に理解しようとしてくれる髙石に対して感謝を伝えると、髙石も「私も英語を学んでます」と返していた。 会見終わりには橋爪の囲み取材が開かれ、『ばけばけ』は全25週で、全体の約7割が松江での話になると明かした。松江での撮影予定は、キャスティングの兼ね合いもあり今のところ未定だが、「できれば来年の梅雨に入る前には」とコメント。賣布神社や山口薬局など、夫妻に縁のある場所を訪れることで、その空気感を役や作品に投影してほしかったと、今回の松江訪問について語る橋爪。夫妻に関わる神社やお城などでの撮影について、「ドラマの説得力が上がるのでやりたいと思っています」と松江市民の期待に応えられるようにと意欲を示していた。
渡辺彰浩