「生まれたてのコアラ」は水辺の生き物のよう あまり見ない理由は? 飼育員に聞く! 意外と知らない動物豆知識
兵庫県南あわじ市にあるレジャー施設の取り組みが話題になっています。それは、来園者から寄せられた、動物についての素朴な疑問に飼育員が答えるもの。飼育員の“うますぎるイラスト”とユーモアあふれる回答は、書籍にもなっているほどです。 【画像3枚】飼育員さんの「うますぎるイラスト」 衝撃の“新生物”が! 子どもの字や素朴な質問にも癒される 「生き物の『なぜ?』に飼育員が答えます!」と題し、来園者からの素朴な疑問を募集しているのは「淡路ファームパーク イングランドの丘」。コアラやひつじ、ワラビーなどたくさんの動物に出会えたり、季節の花の鑑賞や野菜の収穫を体験したりすることができる農業公園です。 「生き物の『なぜ?』に飼育員が答えます!」では、飼育員のうますぎるイラストとユーモアあふれる回答がたびたび話題になっています。それだけでなく、この質疑応答がまとめられ、『飼育員さんのすごいこたえ』というタイトルで書籍化もされているんです。 この質問に回答しているのが、飼育員の後藤敦さん。飼育担当長として主にコアラ、他にも、うさぎや爬虫類などさまざまな動物を飼育する傍ら答えています。そんな後藤さんに、動物についてあれこれ聞いてみました。 ――(イングランドの丘にもいる)「ワラビー」ってどんな動物ですか? ワラビーは、小型のカンガルーの仲間です。生物学上の明確な違いはなく、大きいとカンガルー、小さいとワラビーで、どちらも同じ有袋目カンガルー科の動物です。 たしかに似ているワラビーとカンガルーですが、違いは体の大きさなんですね! 続いて、後藤さんが飼育しているコアラについても聞いてみました。 ――コアラは何類なんですか? コアラはカンガルーやワラビーと同じ有袋類です。そのため、コアラのメスのお腹には袋があります。出産のあとは半年間、袋の中で赤ちゃんを育てます。コアラは妊娠期間が1か月と短いため、生まれてきたときは1円玉ほどの大きさしかありません。 ――コアラの赤ちゃんってそんなに小さいんですね! 生まれたときはどんな姿なんですか? 生まれたばかりのコアラの赤ちゃんは“エビ”みたいです(笑)。小さくて赤くて目が小さくて、毛も生えていないので。フワフワで可愛いコアラからは想像できません。生まれてすぐ、自分の力で20分くらいかけてお母さんの袋に入っていきます。そのため、コアラの赤ちゃんを見たことがあるという人は少ないと思います。 ――イングランドの丘にはギネス記録を持つコアラがいるんですよね? 25歳のメスのコアラのみどりです。昨年の24歳の時点で「史上最高齢の飼育されたコアラ」と「存命中の最高齢の飼育されたコアラ」として、「ギネス世界記録(R)」に認定されました。さらに今年の2月1日に25歳の誕生日を迎え、自身の国内最高齢記録を更新しました。 ――人間でいうと何歳くらいなんですか? 規格外の年齢になってしまったのでなかなかそれが難しくて…コアラの平均寿命は15年くらいなので、平均寿命を10年も超えているんです。おそらく120歳以上にはなると思います。 ――それはすごいですね!長生きの秘訣は何ですか? 新鮮なユーカリを食べているからというのも秘訣のひとつと言えそうです。淡路島ではユーカリを育てていて、普段からその新鮮なユーカリを食べています。 ――イングランドの丘にいること自体が長生きの秘訣ですね! コアラってあまり動いているイメージがないのですが、いつ行けば動いているコアラが見られますか? 午前11時ごろからエサの交換の準備をするので、その時間に動いていることが多いです。1日のうちほとんど寝ているため、動いているコアラはたしかに珍しいですが、木の上で寝ているコアラもとても可愛いので、ぜひ会いにきてください! ※ラジオ関西『Clip』2022年4月18日放送回より
ラジオ関西