ロバート山本が尊敬!「具志堅会」に遅刻した具志堅用高さんの言い訳がスゴイ
ロバートの山本博さんが芸人として、パパとして、気づきを綴る本連載。 第102回目は、ボクシング界の偉人、具志堅用高さんについて。 【詳細】語るロバート山本さん ■具志堅さん=ボクシング界と芸能界を制したすごい人 先日、具志堅用高さんのYouTubeにお邪魔しました。実は私、具志堅さんを囲んで集まる「具志堅会」のメンバーで、昔から親しくさせていただいています。そしてもちろん、ボクシング界の偉人として、本当に尊敬しています。 具志堅さんの何がすごいって、世界チャンピオンにまで登りつめた人で、引退後に芸能界であれほど人気者になるボクサーっていないんです。具志堅さん以外では、ガッツ石松さんや内藤さんなどですよね。 もちろん、引退直後の話題があるときに芸能界を賑わせるケースはあります。でも、ほとんどの場合、芸能界で輝くのは短期間で、基本的にはジム経営や解説の仕事など、ボクシングにまつわる仕事がメインになっていくものなんです。 それなのに具志堅さんの場合、引退後40年近くに渡って、ずっとバラエティの第一線で活躍されています。そして、笑いを取るのはボクシングのネタじゃない。 ボクシングに限らず、アスリートが引退後に芸能界で話題を呼ぶのは、現役時代のエピソードや、その業界ならではの「あるある話」をしたときがほとんどです。 でも、具志堅さんがテレビでボクシングの話をすることはほとんどありません。それなのに、僕らお笑いの人間以上に笑いを巻き起こしてしまう……これって、とんでもないこと。ボクシング界と芸能界、異なる2つのジャンルの両方で大成功を収めたわけですから。 さらに、“本職”であるボクシングでも、後進育成にも力を入れ、チャンピオンを輩出しました。これはもう、次元の違う凄さです。 ■具志堅会で起きた、まさかの遅刻事件 次元が違うといえば、「具志堅会」で起きたあるエピソードが忘れられません。 居酒屋に夜7時集合、と言われて行ってみたら、ほかにも呼ばれた人はみんな集まっているのに、主役の具志堅さんだけが不在。「え? どうしたんだろう?」ということがありました。 気になって電話をしてもまったく捕まらない。どうしようか、先に始める?といった会話をしていたところ、居酒屋のテレビに映ったボクシング中継で、具志堅さんが解説していたんです。 「これ生中継だよね。具志堅さん、なんでこんな日に集合かけたの?」とみんなで驚きつつ、その居酒屋でテレビを見ながら飲むことに。 そして、中継が終わってしばらくすると、ようやく具志堅さんが店にやってきたんですが、「ごめんなさ~い、渋滞してました」とワケのわからない言い訳をしだすという。「いやいや、僕ら見てましたから! どんな言い訳してるんですか!」と(笑)。 「そんなバレる嘘、いいんですよ」と伝えたら、「ごめ~ん。1ラウンドか2ラウンドで終わると思ったんだよね」と。それも失礼な話だなと思って(笑)。その上、その試合は判定での決着でしたから。 ■ボクサー具志堅用高のすごさとは? こういった天然な部分が認知されすぎて、具志堅さんが現役時代、どれだけすごいボクサーだったのか、若い人に伝わっていないのが歯がゆいですね。 ボクサー具志堅用高のとくにすごかった点は、25歳の若さで引退したにもかかわらず、世界王座13度防衛、といういまだに破られない日本記録をつくったこと。それだけチャンピオンでい続けたんです。 世界チャンピオンになる、というのはもちろん大変なことですけど、その分、いざ挑戦できるとなれば、「絶対にやってやるぞ!」と、とんでもなく高いモチベーションで臨むことができます。 逆にいうと、その強い想いを背負った挑戦者たちを蹴散らし、ベルトを守ることが防衛です。チャンピオンの研究をした挑戦者を倒し、ずっとトップの成績を残し続けることはすごく難しいこと。一度トップを獲ることはできたとしても、何年もトップであり続けるというのは、本当に大変なことのはずです。 僕が1番凄いと思うのが、リング上では温厚な具志堅さんとは全くの別人です。生きるか死ぬかの覚悟をした人の目になるんです。この具志堅さんの表情を見たら、全女性がそのギャップにやられますよ。笑 そんな具志堅さんの偉業を称えるべく、出身地の石垣島には、現役時代の勇姿を再現した金色に輝くモニュメントが設置されています。僕のTwitterのトップ画像は、具志堅さんと一緒にその金の像の前で撮った一枚です。 具志堅さんと石垣島のロケをさせていただいた際、一緒に撮っていただきました。こんなことにも気さくに応じてくれるほど優しいですし、温厚なのに、ボクシングのことになるとパーンとスイッチが変わる。その瞬間的に出る男の表情がカッコいい。それも具志堅さんの魅力ですね。 撮影/モリサキエイキ 構成/オグマナオト 企画/mamagirlWEB編集部
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