衝突事故・接触事故を起こさないために…「狭い道路」から「広い道路」に合流する際に注意すべきポイントは?
TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。8月16日(金)放送のテーマは「広い道路への合流」について。“運転を科学する”株式会社ディ・クリエイト代表取締役の上西一美さんに、広い道路に合流する際の注意点について伺いました。
◆「停止線」が歩道の手前で引かれている意味
車を運転する際は、狭い道路から交通量が多い広い道路に合流するとき、特に信号がない場合は慎重に走行しましょう。見落としが原因で、ほかの車や二輪車との衝突事故、歩行者との接触事故が発生してしまう恐れがあります。 信号がないところで狭い道から広い道へ合流する場合、まずは手前で一時停止することが法令で定められていますが、上西さんは「“停まって確認する”という目的を間違えている人がいます」と指摘。 多くの場合において、停止線は歩道を走る自転車や歩行者と当たる可能性を防ぐために、歩道の手前で引かれています。そのため、正しく停車しても安全確認はできません。しかし、「(急いで)確認しようとして停止線をオーバーされる方がいます。まずは、確認の意識よりも無条件に(停止線の手前で)停まってください」と呼びかけます。 法令上、見通しの悪い交差点では徐行運転で進み、歩道の前で一度停まるのも法令上の義務であり、歩道にいる歩行者や自転車との出会い頭の事故を防ぐためにおこないます。その次に車道の前で停まりますが、これは車道にいる車との出会い頭の事故を防ぐためです。いわゆる「2段階停止」「多段階停止」を必ず実行しましょう。
◆合流時に起きやすい事故パターン
多段階停止をして広い道路に合流する際、運転手側は“余裕がある”と思っていても、実際は近い距離にいたケースは少なくありません。 上西さんは「“あの車はまだ遠いから行けるだろう”と軽率な判断をしがちです。まずは停まった状態で、距離感をしっかりつかむことが大事です」と注意を促します。特にバイクは、人間の目の特性上、遠くにいるように見えてしまって距離感を間違えやすいので、慎重に確認をおこなってください。 合流時に起きやすい事故パターンもあると言い、「左折して合流する場合も右折して合流する場合も“自分の向かう方向から来る車と衝突する確率が高い”という共通点があります。その理由は恐らく“車が来る方向に注意が偏るから”。例えば、右折して合流する場合、左側から来る車に気を取られて右側から来た車にぶつかってしまう、というパターンがあります」と解説します。 さらに上西さんによると、事故を起こしやすい人は、左右を確認しながら車を動かしてしまうそう。ですので、もし左折して合流する場合は、まず停止した状態で“右・左・右”と確認をおこない、その後に車を動かすようにしましょう。 (TOKYO FM「JA共済 presents なるほど!交通安全」2024年8月16日放送より)