運転を「特別な体験」にする力 マクラーレン・アルトゥーラ 長期テスト(最終) 環境問わず普段使い可!
運転を輝かしく特別なものにする力
悲しいことに、2025年仕様に合わせて無償で引き出された20psを、しっかり体感することは叶わなかった。そもそも、3.0L V6ツインターボエンジンがもっとパワフルなら良いのに、と感じたことは1度もなかったが。 ただし、20万ポンド(約4080万円)のスーパーカーとして、物足りない部分もゼロではない。特にスタイリングは、アルトゥーラ以外のマクラーレンと良く似ている。インテリアは特別感が弱いだろう。ロゴも、イタリアン・ブランドのような趣きはないと思う。 それでも、アルトゥーラが最大の強みとするのは、ドライビング体験。運転という単純な行為を、輝かしく特別なものにする能力だ。加えて、至って一緒に暮らしやすい。 アルトゥーラの開発は難航したかもしれないが、日常的に乗れる素晴らしい高性能モデルとして、広く認知されるべき仕上がりなことは明らか。多くの人へ、この事実が知られて欲しいものだ。
セカンドオピニオン
アルトゥーラの長期テストが、望ましい印象で終了したことがうれしい。本来の実力は高く、商業的にも優れた成果を得るに値するモデルだと考えている。 アップデートを経て、さらにドラマチックさは増したようだ。電動化技術のメリットを、うまく活かしたスーパーカーだと思う。 マット・ソーンダース(Matt Saunders)
テストデータ
■気に入っているトコロ パワートレイン:ダウンサイジングし、ハイブリッド化するという選択は成功した。速いだけでなく、燃費も優れている。サウンドはいいし、静かにも走れる。 ハンドリング:マクラーレン唯一といえる操縦性は変わらない。シャシーの繊細さが素晴らしい。 運転席の居心地:人間工学に優れ、アップル・カープレイが標準装備。視界も広く、ずっと座っていたくなる。 ■気に入らないトコロ 乗降性:メタボ気味の中年男性の場合は、カッコ良く乗り降りするのが難しい。 周囲からの注目:公道を走っていると、好奇心で不必要に接近してくるドライバーがいる。危ないから控えるべきだ。 ■走行距離 テスト開始時積算距離:1580km テスト終了時積算距離:9512km ■価格 モデル名:マクラーレン・アルトゥーラ(英国仕様) 開始時の価格:18万9200ポンド(約3860万円) 現行の価格:19万460ポンド(約3885万円) テスト車の価格:22万1400ポンド(約4516万円) ■オプション装備 テクノロジー・パッケージ:6800ポンド(約138万7000円) スポーツエグゾースト:4700ポンド(約95万9000円) スーパー・ライトウエイト鍛造アルミホイール:4500ポンド(約91万8000円) パフォーマンス・インテリア:4400ポンド(約89万8000円) エンバーオレンジ・エリート塗装:4400ポンド(約89万8000円) コンフォートシート:3300ポンド(約67万3000円) ブラック・パッケージ:2000ポンド(約40万8000円) グロスブラック・インテリアフィニッシュ:1100ポンド(約22万4000円) ステルス・エグゾーストフィニッシュ:1000ポンド(約20万4000円) プラティカリティ・パッケージ:0ポンド ■燃費&航続距離 公称燃費:21.8km/L タンク容量:66.0L 平均燃費:10.7km/L 最高燃費:11.4km/L 最低燃費:6.9km/L 航続可能距離:708km ■主要諸元 全長:4539mm 全幅:1913mm 全高:1193mm 最高速度:329km/h 0-100km/h加速:3.0秒 車両重量:1498kg パワートレイン:V型6気筒2993cc ツイン・ターボチャージャー+電気モーター 使用燃料:ガソリン 最高出力:680ps(システム総合) 最大トルク:73.2kg-m(システム総合) ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック(後輪駆動) トランク容量:160L ホイールサイズ:19インチx9.0J(前)/20インチx11.0J(後) タイヤ: 235/35 R19(前)/295/35 R20(後) ■メンテナンス&ランニングコスト リース価格:-ポンド(-円/1か月) CO2排出量:104g/km メンテナンスコスト:なし その他コスト:なし 燃料コスト:1093ポンド(約22万3000円/ガソリン) 燃料含めたランニングコスト:(約22万3000円/ガソリン) 1マイル当りコスト:0.22ポンド(約44円/車両代、電気代は含まず) 不具合:クルーズコントロール用レバーの交換/フロアシールの交換
アンドリュー・フランケル(執筆) 中嶋健治(翻訳)