鈴木保奈美「演じてきた中で一番ダメな女性の役だと思う」魅力は「幼さ」:インタビュー
人気ドラマ続編に映画、昨年には初エッセー集も刊行、女優として活躍を続ける鈴木保奈美が、映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』(公開中)で、また違った表情を見せている。本作は、イタリアのアカデミー賞で作品賞・脚本賞を受賞。世界中で驚異的な大ヒットを記録した『おとなの事情』(原題:Perfetti sconosciuti/17年公開)を、豪華キャスト共演で日本版にアレンジした作品。中国、韓国、フランス、ドイツ、ロシアほか18か国でリメイクされ“世界で最もリメイクされた映画”と言われている注目度の高い作品だ。 主演の東山紀之をはじめ、常盤貴子、益岡徹、田口浩正、木南晴夏、淵上泰史という国民的な豪華キャストたちが、“スマホの秘密をバラし合う”世界が戦慄した大人のゲームに参加していく展開の中、鈴木はテレビ出演もする売れっ子精神科医・六甲絵里役を、独特の存在感で好演している。劇中ではさまざまな人間模様が繰り広げられ、観る側の共感度も高そうな内容だが、鈴木本人も、「これでいいんだって、思ってもいいと思うんです」とポジティブにメッセージを受け取ったと明かす。本人に話を聞いた。【取材=鴇田崇】
とってもやりがいのある作品
――本作は世界18か国でリメイクされたイタリアのコメディ映画、『おとなの事情』の日本版リメイクでもあるわけですが、出演が決まった時、どういう心境になりましたか? やる気満々で、ぜひやらせてくださいと言いました(笑)。オリジナルの作品も観ましたし、いくつかのリメイク版も観ましたので、これはとってもやりがいのある作品だなって思いました。プロデューサーさんや脚本家さん、共演者のみなさん、いろいろな要素を含め、すべてのことが楽しみで、一刻も早くやりたいという感じだったことを覚えています。 ――中でも一番楽しみだったことは何でしたか? やはり、ワンシチュエーションという構成ではないかなと思います。舞台のように会話劇が進み、2時間くらいの間に、最初と最後ではまるで違う関係性や感情が生まれていって、とってもお芝居として面白いと思いました。リハーサルもきちんとやるというお話でしたが、リハーサルってすごく面白いんですよ。緊張しましたけどとても楽しみで、そこでほかの6人のみなさんと初めて知ることも多いんです。自分で脚本を読んでいただけではわからないことが多く、「このセリフ、そういう風に言うんですね」とか。いろいろな化学反応があるので、それはとても楽しみでした。 ――光野道夫監督からはどういうリクエストがありましたか? 人間的にとてもスイートな方なので、信頼して進めることができました。とにかくスイートな方なので、わたしが彼女を嫌な女にてしまいそうなところを、監督が必死に引き留めていました(笑)。