なぜ性別変更した元女子世界王者の真道ゴーは男子のプロリング挑戦を決断したのか…ライセンス交付に立ちはだかるJBC破綻問題
真道には社会的なメッセンジャーとしての役割もある。国際的にジェンダーフリーが進んでいるが、今なお性同一性障害に思い悩む人たちが少なくない。真道は「私も命を断とうとしたこともあった」とも告白した。 「メールで当事者からの相談もある。でも、その人たちのためにリングに上がるわけじゃない。無謀と言われても、やってみたいことに挑戦する姿を見て、悩んでいる人や苦しい思いをしている人の勇気になれればありがたい」 そしてなによりボクシングが好きだ。 2008年のプロデビュー戦は敗れたが、前へ出続けた姿に拍手と歓声が起き「ファンになった」「勇気をもらった」とリングを降りた後に声をかけられた忘れられない原風景がある。 「誰かのため人に影響を与えられるのがボクシングの魅力かな。ドキドキと恐怖。いろんな感情が入り乱れ、やるかやられるかの格闘技にしかないスリルも魅力」 この純粋な真道の気持ちを踏みにじってはならない。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)