鳥取城北の右腕・山内 花開いたウチナーンチュ 選抜高校野球
第93回選抜高校野球大会は第7日の26日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で2回戦があり、鳥取城北は東海大相模(神奈川)に0―1で敗れ、鳥取県勢40年ぶりの8強入りはならなかった。鳥取城北の右腕・山内龍亜投手(3年)は九回途中まで投げ味方の失策が絡む1失点のみと好投したが惜しくも敗れた。 【鳥取城北vs東海大相模の試合を写真特集で】 何事にも動じない肝っ玉が垣間見えた。八回2死から突然ストライクが入らなくなり、2者連続四球。「大きく(ストライクゾーンを)外れる球ではなかった。気負い過ぎずに、ゴロを打たせようと思った」。2死一、二塁で迎えた東海大相模の4番・柴田への2球目。決め球で効果を発揮していたフォークで遊ゴロに仕留め、小さく拳を握った。 初めての甲子園の先発マウンドに「緊張で浮足立った」との言葉とは裏腹に、序盤から変化球が面白いように決まった。球威のある直球に球速100キロ前後の緩いカーブと120キロほどのフォークを織り交ぜ、緩急で相手打線を手玉に取り、九回途中までを失策絡みの1失点に抑えた。 昨秋の公式戦は2試合で2イニングしか投げておらず、防御率13・50の背番号「11」。試合前日に先発を託すことを決めた山木監督も「予想以上」と驚く快投だった。 沖縄県出身で、冬は雪が積もる鳥取での生活に「こんなに寒いと思わなかった」。けがもありホームシックになったが、先輩や仲間の支えで踏みとどまり、大舞台で花開いた。 「野手の失策をカバーできなかった。周りからもっと信頼される投手になりたい」。悔しさと自信を胸に、エースを目指す決意を示した。【田中将隆】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」では、大会期間中、全31試合を中継します(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2021)。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu/)でも展開します。