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【虎のソナタ】名将それぞれの選手との距離感

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サンケイスポーツ

 あ~、悔しい。大山の26号2ランを、小幡のマルチ安打を、藤浪の161キロを、勝ち試合の中で喜びたかったのに…。  「中日は六回でリードしている試合はこれで30連勝です。福-祖父江-R・マルティネスの方程式は、昔の阪神のJFKくらい頼もしいです」  ドラゴンズ担当須藤佳裕の声が弾んでいます。  試合前、矢野監督が、5人以上で会食していた件について取材に応じました。運動部長大澤謙一郎は20数年前を思い出していました。当時ダイエー(現ソフトバンク)を担当。ある日のデーゲーム後、本紙専属評論家の江本孟紀氏と仕事終わりに中洲で食事をしていたら、ウエスタン・リーグの遠征試合で福岡に来ていた阪神の某2軍首脳が若手を連れてその店に入ってきたのです。  「その人は当然、江本さんと親しいので、あいさつもして、いっとき楽しく飲んだんです。次の日、何気なく尾花さん(尾花高夫・当時ダイエー投手コーチ)にその話をしたら『阪神は首脳陣が選手と一緒に飲みにいくのか!?』と驚かれて」  当時の王貞治監督も、その前に投手コーチを務めていたときのヤクルトの野村克也監督も、プライベートでは選手と一線を画すようにしていたそうで、尾花さんからすると「考えられないこと」だったのです。  「選手との接し方はいろいろでしょうけどね。どう思います?」  難しい話を振ってきよったな。例えば、選手が結婚するとき。広島の監督だった古葉竹識は、池谷公二郎の仲人を務めたのを唯一の例外として、以降はずっと依頼を断り続けた。理由は「選手に情が移る、と周りから思われる」からだった。  「実際に選手の起用に影響することはないけれど、周りはそう見ることもある」  そう言っていたのに、1985年オフ、高橋慶彦、川口和久、長嶋清幸ら主力に育てた若手の結婚ラッシュのときは、そのほぼ全員の仲人を務めている。  「私は今年で(監督を)辞めるんよ。そんな人間に頼んでも何もいいことなんかありゃあせんと言うたのに『監督しかいません。お願いします』と言うてくれるんやから。引き受けんわけにはいかんじゃろ」  監督でいた間は、我慢していたというわけだ。阪急やオリックスなどで監督を務めた上田利治は意に介さないタイプだった。星野伸之(本紙専属評論家)の仲人を務めた89年オフ、古葉の話を振るとこう言われた。  「ワシは気にせんよ。グラウンドはグラウンド。私生活は私生活」  激情家に見えて理詰めだった上田。理詰めに見えて情にもろかった古葉。矢野監督はどちらなのだろう。監督の選手への接し方は何が正解で、どうあるべきなのだろう。あれこれ考えていたら、ナゴヤドームにいるサブキャップ安藤理から電話が入りました。  「監督と選手の年齢、距離感、タイミング、人それぞれだと思います」  安藤は一昨年、担当していたソフトバンクが日本一に輝いたとき、工藤公康監督がシーズン中に4度に渡って開催した選手との会食を、チームをまとめたエピソードのひとつとしてV原稿に書いていました。  「工藤さんも、距離を置くべきと考える監督で、それまで選手との食事会はしない人でした。あのシーズンが初めてです。でも、個人個人とやるのは良くない。全員一緒にもできない。だから若手組、ベテラン組、バッテリー組、助っ人に分けて開催しました。あれ以降、雰囲気が変わってチームは上昇していったんです」  やり方と、開催するタイミング…。もうひとつ書くなら、それに伴う結果次第、ですかね。

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