【阪神】新オーナーの秦雅夫氏「常勝軍団」生え抜き育成重視は継続も補強も惜しまず
阪神は13日、来年1月1日付で阪神電鉄会長兼球団会長の秦(しん)雅夫氏(67)が、新オーナーに就任すると発表した。阪急電鉄出身者として初めて就任した杉山健博オーナー(66)は退任する。22年オフの杉山オーナー就任時に球団オーナー職(杉山氏)と球団会長職(秦氏)を分けていたが、兼務する形に戻る。 12代目となる秦新オーナーは、阪神を「常勝軍団」とするビジョンを掲げた。「常に優勝争いをすることができれば、常勝軍団と呼ばれるようなチームになっていく。この考え方は不変だと思うので、そういうチームにしていきたい」。昨季は悲願の18年ぶりのリーグ優勝、38年ぶりの日本一を成し遂げた。「中長期的には8年前に据えた、生え抜きの日本人選手が中心となり、骨太のチーム作りという編成方針は不変」とし、生え抜きの育成を重視する方向性をしっかり引き継ぐつもりだ。 一方で藤川球児新監督(44)のもとで、リーグ王座を奪還するための援護は惜しまない。「次のシーズンを見据えた短期的な視点での戦力の補強も、当然必要になってきます。必要だと判断した補強については当然、バックアップしていきます」ときっぱり話した。 秦オーナーは京大法学部卒業後、81年に阪神電鉄入社。2年間務めた阪急出身の杉山オーナーから、阪神側が主導権を奪い返す形となった。「阪急や阪神ということはあまり考えたことがない。素直に考えてもらったらいいのかなと思います」と強調した。来年90周年を迎える「歴史と伝統」のあるタイガースの常勝化を進める。【磯綾乃】 ◆秦雅夫(しん・まさお)1957年(昭32)5月22日生まれ、大分県出身。京大法学部卒。81年に阪神電鉄入社。常務、専務などを歴任し、17年4月に社長就任。23年4月から会長。阪急阪神ホールディングスでは06年から取締役。代表取締役副社長も務めた。22年12月、阪神球団の会長に就任した。