宇宙人が交信してきたら、人類はどう振る舞うべきなのか?
なぜこの実験を?
「A Sign in Space」は、芸術と科学を融合させ、宇宙人文明の地球への接触に人類を備えさせるのと同時に、メッセージをどう解釈するかを通して、私たち自身の世界についても考えさせるものです。 パウリス氏は真意をこう語っています。 「アーティストとして、私が興味を持っていたのは、何かに意味を持たせることへのプロセスを探求することでした。 つまり、私の疑問は、もし私たちがラディカルな形の演劇を取り入れながら、宇宙人からのメッセージを受信するというシナリオを人類に提示したらどうなるだろうか?ということでした。 自分たちの文化の性質の外にある何かに意味を見出さなければならなくなります。この可能性に本当に魅了されたのです。パラメーターがまったくない状態で、どうやって何かに意味を見出すことができるのだろうかということです」 このプロジェクトはまた、地球外生命の探索にも光を当てました。「私たちが注目を集めているのは、過去5年から10年の間に、SETI研究所がただの奇人の集まりではないという考えを変えるようなプログラムが出てきたからです。SETI研究所はそれ自体が本物の科学であり、天体物理学的分野でもあり、学術的な尊重に値するのです」とファラー氏は述べています。
受賞の理由
地球でメッセージが傍受されてから1週間で、約40万人がそのメッセージをダウンロードしています。「A Sign in Space」のアウトリーチ担当でSETI研究所のシニア惑星天文学者フランク・マーチス氏は、「最初から興味が集まっているのがわかっていました」と述べています。 マーチス氏はメッセージ内容の開示の提案を受けましたが、断ったそうです。 「私の頭の中では、その信号は宇宙人が私たちの存在を知っていることを伝えている内容なのです。宇宙人は私たちの存在を知っていて、地球人について認知しているよ、と伝えたいだけなのです」 プロジェクトについてあがってきた議論は、チーム内部でさえも、まさに「宇宙の中のサイン」の目的そのものでした。 パウリス氏は、「今回のプロジェクトで多くの異なるアイデアが出てきました。私たちが考えたこと、そしてアップロードしたものよりもはるかに興味深いものがいくつかありました。私たちはメッセージに流動性を与え、それによって複数の段階を経ることができました。知識は常にプロセスであり、決して完全に結晶化することはないという考えを強調しています」と話しています。