アン・ハサウェイが愛され続ける美しさの理由を探る。
18歳のときに『プリティ・プリンセス』で映画デビューし、瞬く間にスターの階段を駆け上ったアン・ハサウェイ。11月12日には38歳の誕生日を迎え、女優として、また二児の母親としても輝きを増している。そんな彼女の、誰からも愛される上品メイクや初々しいショートカットなど、今までの美の変遷を辿る。
親しみやすさに秘められた、トップ女優のカリスマ性。
映画『プリティ・プリンセス』(01)では、冴えないギークな女子高校生が、数々のプリンセス修行を経て美しく洗練されていく様子を演じきったアン・ハサウェイ。その等身大の姿は、彼女自身の美のサクセスストーリーにも通じるところがある。同作の公開と同じ年、ジューシー クチュールのイベントに登場した際は、女優として注目を集めたばかりの頃で、見た目はまだ素朴な雰囲気。細く整えたカーブ眉と淡いピンクリップがフレッシュな魅力を醸し出すも、まだ打ち消すことはできないピュアな野暮ったさが逆に美の原石ぶりを際立てている。ここからアンの華麗なるヘア&メイク変遷が始まった。
ティーンの憧れを体現した愛されスタイル。
『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』(04)が公開されてからは、ますます若い女性のアイドル的存在になったアン。ティーン・チョイス・アワードやヤング・アーティスト・アワードにノミネートされ、ヘア&メイクが次第に大胆かつキャッチーに変化していく。ゲストとして出席した映画のプレミアでも、短めのバングスに巻き髪のハーフアップという王道スタイルに可憐なプリンセス役の余韻を残した。アイラッシュとゴールドのシャドウで目力を強めたアイメイクや頬のトップにのせたピンクチークも、華やかで上品なお嬢様風の魅力を感じさせた。そんなルックスに反して、映画『ブロークバック・マウンテン』(05)ではロデオクイーンの役柄を演じるなど、この頃からアイドル的イメージを払拭すべく挑戦的な作品を選ぶようになる。
代表作との出会いで一気に洗練度がアップ。
アンの名前を世界中に知らしめた『プラダを着た着た悪魔』(06)は、いわずと知れた大ヒット作。彼女が演じた、悪魔のような上司の下でひたむきに夢を描き頑張る主人公の姿は多くの共感を呼び、女優としてはもちろん、美の成長をもたらした。2007年SAG賞授賞式でのドレスアップ姿は、それを証明するもの。黒のベアトップドレスに映えるスモーキーな目もととコーラルレッドのリップは、24歳らしいフレッシュさと大人のエレガンスを両立させた。ローポジションでまとめたアップヘアも落ち着いた雰囲気を醸し出し、トップ女優の仲間入りを果たしたあふれる自信を後押しした。