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朋友も感動する“百折不撓”木村一基王位、根性の受け「這いつくばってるんですよ」「この執念でおれは生きてきたって感じ」

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ABEMA TIMES

 華々しい活躍を見せ続ける天才棋士と盤を挟んだベテランが、その一手に生き様を見せた。8月4、5日に行われた王位戦七番勝負の第3局。最年少タイトルホルダー藤井聡太棋聖(18)が最年少二冠・八段昇段に王手をかける勝利を手にしたが、対局後のインタビューでは「負けにしてしまったかもしれないと思っていました」と反省をした。藤井棋聖が大優勢の局面から一転、互角以下に追い込まれたのは、“千駄ヶ谷の受け師”木村一基王位(47)による根性の受けがあったからこそ。100回折れてもまた立ち上がる。そんな精神の持ち主が放った一手に、解説を務めた朋友の棋士も感動の声をあげた。 【動画】木村一基王位が大劣勢から一時逆転した局面  大劣勢、あと少しで敗勢というところまで追い込まれていた木村王位。多くの棋士が「受け続けていてもダメ」と開き直り、玉砕覚悟で攻めの手を選択する中、木村王位は駒台に乗っていた攻めの手がかりとなる銀を、自陣に打ち込んだ。さらに攻め込まれるのは承知で、剣ではなく盾を選ぶ。忍耐以外の何物でもない。そんな決断だった。  自陣への銀打ちを見た瞬間、驚きと感動の言葉を発したのが、行方尚史九段(46)だ。木村王位とは同学年。幼いころから切磋琢磨し、盤を離れれば、いろいろな話を肴に酒を酌み交わす。共に厳しい将棋の世界を生き抜いてきた間柄だ。木村王位が何度も頭を抱え、額に手をあて、ようやく決めた耐える一手。これに行方九段は「うおぉ…」とうなると、「これはすごいな。木村印だ…。これこそですよ。いやー、地べたに這いつくばっているんですよ」と続けた。  少し時間を置いて、この手の意味を改めて語り始めた。「ここに銀は使えない。耐え難きを耐える。そのひとこと。そういう精神があるから木村は強いんです。この銀を打てる人はめったにいない。藤井棋聖も、これを指せる人と指したことがないんじゃないですかね。この執念でおれは生きてきたって感じがします」と、一気に吐き出した。

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