ヘイトクライム捏造で実刑判決受けたジャシー・スモレット、有罪が覆る
ドラマ『Empire 成功の代償』などに出演する俳優のジャシー・スモレット。ヘイトクライムを自作自演したとして有罪判決を受け、150日間の禁固刑が言い渡されていたが、この度この判決が覆った。 【写真】『Empire 成功の代償』のジャマル・ライオン役でブレイク「ジャシー・スモレット」フォトギャラリー 事の発端は2019年1月、『Empire 成功の代償』のジャマル・ライオン役で知られるジャシーが、当時ドラマの撮影を行っていた米シカゴで、未明に2人組に襲われれたこと。当初はアフリカ系で同性愛者であるジャシーに向けられたヘイトクライムと目されたが、捜査の結果、彼を襲ったとされる2人組は、ジャシーと面識があったことが発覚。ドラマの待遇に不満を持つジャシーの自作自演であると結論づけられた。 これを受け、罰金1万ドル(約110万円)と地域奉仕活動を条件に、ジャシーに不起訴処分が下されたが、その後、事態が一転する。新たに特別検察官が任命され、再捜査を行った結果、2020年2月、警察への虚偽通報を含む6つの罪状で訴追され、2021年12月に5つの罪状で有罪が確定。150日間の服役と、30ヵ月の保護観察処分、賠償金と罰金合わせて13万ドル超の支払いが命じられていた。 Varietyによると、ジャシーがこれを不当として上訴。そして現地時間11月21日、不起訴処分が下された後に特別検察官を任命し再捜査を行ったのは、ジャシーに対する権利侵害に当たるとして、イリノイ州最高裁判所が有罪判決を覆したそうだ。 裁判所は判決の中で、「この事件が大きな社会的関心を集め、多くの人が当初の処分は正義がなされなかったと認識し、不満を抱いていることを承知しています」と言及。「しかしながら、一つの刑事事件を解決することよりも、人々の不利益となる合意を州が支持しないことの方が、より重要である」としているそうだ。 ジャシーの捜査にあたった特別検察官のダン・ウェブは声明で、「誤解しないでください。今日の判決は、スモレット氏が無罪であると示したわけでは全くありません」とコメント。「イリノイ州最高裁判所は、スモレット氏によるヘイトクライム捏造事件の裁判で提出された証拠や、陪審員全一致で出された評決に対し、いかなる誤りも認めていません。実際スモレット氏も、上訴するにあたり証拠に問題があると訴えてすらいませんでした」と反発したという。