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「プロレスラーは『無観客試合』で何を見せるのか」 全日本プロレス4・6新木場を前に「チャンピオンカーニバル13年ぶり2度目の出場」が幻に終わったTAJIRIが胸中を明かす!

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 世界中で感染拡大する新型コロナウィルスの猛威はプロレス界にも直撃した。4月3日、全日本プロレスは恒例のチャンピオンカーニバルと予定していた15大会の中止を発表。代わりに4月6日、新木場で無観客試合「What we can do now『いま全日本プロレスにできること』」を開催し、その模様を動画配信サービス「全日本プロレスTV」で生中継する。  13年ぶり2度目のチャンピオンカーニバル参戦で注目されていたTAJIRIはこの事態に何を思うのか。ヒット中の新刊「プロレスラーは観客に何を見せているのか」の反響と合わせて話を聞いた。 ――全日本プロレス春の恒例「チャンピオンカーニバル」中止が発表されましたが、現在の心境は? 「久しぶりの大舞台ですから、僕も残念ですし、楽しみにされていたお客さんに申し訳ないですね。ただ、中止決定を聞いて、僕は『これは大きな意味があるぞ。次にチャンピオンカーニバルを開催する時に向かって、壮大なドラマが始まったな』と感じましたね。お客さんにとっても楽しみが先に延びたことで期待感が高まるでしょうし、チャンピオンカーニバルはもっと大きな使命を与えられたんじゃないですか」 ――切り替えが早いですね。 「25年以上プロレスラーとして生きているので、アクシデントやトラブルは日常茶飯事ですから(苦笑)。『予定通りにいったらラッキー』ぐらいの感覚で生きていますし、レスラーはみんなそうだと思うんですけど『いつ死ぬか分からない』と覚悟を決めて試合をしてるので」 ――WWEを始め、世界中で試合をしてきたTAJIRI選手ですが、今回の新型コロナウィルスによる大会中止のような事態も経験されているんですか? 「9・11(2001年のアメリカ同時多発テロ事件)の時はWWEにいて、僕は試合会場のヒューストンにいました。当日はスマックダウンだったんですけど、会場に行くと誰もいなくて急遽中止です。ただ、事件の2日後にはWWEは再開して、翌週のテレビマッチの会場の高揚感のすさまじさは今でもはっきりと覚えています。そういう経験があるので、僕は『チャンピオンカーニバル中止』と聞いて、すぐに『次のチャンピオンカーニバルではどんなコメントをしようかな』と考え始めましたよ。今回の中止がお客さんの『次のチャンピオンカーニバル』への期待感をさらに高めることは間違いないので、僕らはその期待に応えないといけないと思います」 ――なるほど。TAJIRI選手がスカウトして、全日本プロレスに参戦中のギアニー・ヴァレッタ(マルタ共和国)とフランシスコ・アキラ(イタリア)はずっと日本にいるんですか。 「そうですね。帰国できないですし、ヨーロッパはジムが封鎖、試合もまったく無いので。彼らは個々にトレーニングしてて『今、ヨーロッパのレスラーの中で一番充実した環境で練習ができている』と考えているようです。ただ、アキラの住んでいる地域はイタリアの中でも一番感染者数が多いそうで、毎日ニュースをチェックして心配していますし、少しホームシックになっているので、僕もなるべくケアするようにしています」 ――大変ですね。そんな中、4月6日は新木場での無観客試合「What we can do now『いま全日本プロレスにできること』」をおこない、全日本プロレスTVで生中継されます。TAJIRI選手は世界各地でたくさん無観客試合を経験されているとか。 「海外のスタジオマッチは、無観客試合か、観客を入れても100人以下だったりします。それに、WWEはテレビ収録がメインなので、試合中はカメラしか意識してない(笑)。なので、日本とは違っていつもスタジオマッチみたいなものです。そういう意味で、僕は観客がいようといまいと全然関係ないです。ただ『ライブ』を盛り上げるためにお客さんの存在は絶対に必要なので、それが今度の試合でどう影響するか。特に、お客さんのリアクションを感じながらテンションを高めるタイプのレスラーは『やりにくい』と感じるかもしれない」 ――なるほど。 「逆に、お客さんがいようがいまいがいろんな仕掛けをするレスラーは全然関係ないですからね(ニヤリ)。4月6日の『What we can do now いま全日本プロレスにできること』ではレスラーの才覚が試されますし、これまで目立っていなかったレスラーがあっと驚くような仕掛けをしたり、見ている人の想像力を遥かに上回る面白いことをして、お客さんの注目を集めてしまうかもしれない。『順応性』が試される大会なので、視聴する方にはそんなところも見てほしいですね」 ――ところで、新著「プロスラーは観客に何を見せているのか」(草思社刊)が好調で現在4刷。人気落語家の春風亭一之輔さんが「落語家も読んだ方がいい本」とSNSで推薦したり、他ジャンルの方たちからも好評ですね。 「僕はプロレスでいろんなことを学んできたんですけど、それがいろんなジャンルの方に響くということは『真理は共通だ』ということです。地球もまだまだ捨てたもんじゃないなーと思いましたね」 ――真理? 地球?? いきなり大きな話になりましたが……、同業のレスラーの方々からの反響はいかがでしょう? 「ほとんど聞きません」 ――え? 「仲の良いレスラーはSNSで感想をつぶやいてPRに協力してくれてましたけど。そういえば、ある方がFacebookに『TAJIRIの本がすごく面白かった』と書いたら、某レスラーや某有名格闘家から『貸してくれ』と幾つもメッセージが来たそうですよ(苦笑)。気になってくれてはいるんでしょうけど『気になるなら買えよ!』と思いましたね(笑)」 ――「英訳本の出版」という構想は。 「まだオファーを待っている状態ですね。海外のレスラーや関係者からたくさん『英語版は出さないのか?』と問い合わせが来ているんですけど(苦笑)。ぜひ英語版を出したいという会社があれば、草思社さんあてにご連絡ください」 ――ちなみに、TAJIRI選手は大会休止で空いた期間は何をされているんですか? 鍼灸のお仕事を? 「いえ、それが色々とありまして普段より忙しい感じです(苦笑)。なので、鍼灸の仕事がまったくできない状態なんですが、来週あたりから再開できるかもしれません」 ――最後に、4・6新木場「What we can do now『いま全日本プロレスにできること』」では視聴者に何を見せますか? 「いろんなものと戦い、乗り越えてきたレスラーが、みんなが大変な時にどんなメッセージを発信するか。ファンの方はそれを待っていると思いますし、そうした思いを受け止めて、各レスラーがどんな発信をするかがとても大事だと思いますね。『What we can do now いま全日本プロレスにできること』では見ている方にそういうところも見ていただきたいです。試合ができること自体、とても貴重な機会なので、こういうチャンスにレスラーは何を見せて、それぞれがどんなメッセージを発信するのか。僕自身は、今は時代が変わる節目の時だと感じていて、この変化に対応してやっていくしかないと思っています。先ほども言った『順応性』が試される時に、全日本プロレスは何を見せられるのか。ぜひ4・6新木場の生中継に注目してください」

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