東京五輪、海外客の受け入れはどうなる? ひろゆき氏「現実的には無観客しか手はない」
5日、丸川珠代五輪担当大臣は東京オリンピック・パラリンピックの海外客受け入れについて「3月中にまず外国からの観客について判断したい」と発表した。 【映像】新型コロナ流行前に想定していた経済効果&予定観客数 組織委員会の橋本聖子会長や、IOC・国際オリンピック委員会のバッハ会長らが参加した5者協議で浮上した、海外からの観客ゼロの方針。橋本会長も「いかに国民の皆さんに『これであればできるんだ』と安心感を持っていただかない限り、開催は難しいと思っている。無理やり、何が何でも(開催したい)という捉え方をされていると思うが、決してそうではない」とコメント。海外客の受け入れは、聖火リレーが始まる3月25日までに改めて5者協議で決定される。 海外客の受け入れをやめた場合、気になるのは経済的な損失だ。チケット収入の大幅減少、それ以外にも宿泊や観光で見込まれていた多くの収益が消失する。東京大会で想定されている海外からの観客はおよそ100万人。もし仮にこれがゼロになった場合、経済にどのような影響を与えるのだろうか。
野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は「重要なのは大台を見ること」として「私の試算では2000億円程度の損失になる。チケット収入全体で900億円、この半分くらいが海外客だと思っている。海外から来なくなればインバウンド需要がなくなって宿泊や飲食、買い物、観光しなくなるので、それが1500億円程度。合計すると2000億円程度の損失になる」とコメント。その上で、約2000億円という数字に「日本のGDPの約0.03%なので、そんなに大きい数字ではない」と分析する。 「もし観客を入れて新型コロナの感染拡大や、変異株の感染が広がってしまうと、夏にかけてもう一度緊急事態宣言が出されることになる。そうなったときに、今回の2カ月と2週間で計算した緊急事態宣言の経済の損失額は6.3兆。緊急事態宣言をもう一度出さなくてはならない状況に追い込まれたときの経済の損失の方が、圧倒的に大きい。それを考えると2000億で済むのであれば、経済的には見合うのかなと思う」 当初見込まれていた経済効果が怪しい雲行きを見せている東京大会。続けて木内氏は「2019年の実績だが、大体インバウンドで海外から来る人は1回の日本旅行でおよそ15万円を使う」と説明し、「2019年で3000万人以上の(観光客が)入ったときは1年間で4兆円以上だったが、オリンピックの期間は短いので、インバウンド損失は約1500億円になるだろう。もちろん関連する業種などにマイナスの影響は出てくるが、感染抑制が重要であれば、ここは(経済的利益を)抑えるべき」と意見を述べた。