「ミスをするな」の声かけは逆にミスを助長する 6秒我慢ルール「怒ってはいけないスポーツ大会」水泳で初開催
監督が怒ってはいけない大会・水泳大会が初開催 オリパラ選手がイベントに参加
9月29日、東京・立川で「監督が怒ってはいけない大会」水泳大会が開催された。「監督が怒ってはいけない大会」は、バレーボール日本代表の益子直美さんが始めたバレーボール大会。自身が激しい叱責に悩まされたことから、子どもが伸び伸びとプレーすることができるようにと企画。10年前から継続して開催している。 今回、益子さんは競泳元日本代表の竹村幸さんとともに、バレーボールではなく水泳の大会を企画。竹村さんもまた、幼少期にコーチからの厳しい指導に悩まされた1人だ。 「指導者の顔色を伺うことなく、自ら進んで成長する機会を望み、スポーツを楽しんでほしいという思いがあり、イベントを実施することを決めました」(竹村さん) ゲストとして、パリパラリンピックで金メダルを含む4つのメダルを獲得した競泳の鈴木孝幸をはじめ、同じくパリオリンピックに出場した競泳の鈴木聡美、そしてパラスイマーの久保大樹が参加した。
今大会は「楽しむ・怒らない・チャレンジ」をテーマに、午前午後と2部構成で開催。 午前の部は、子どもたちに向けたスポーツマンシップ研修と指導者・保護者向けのアンガーマネジメント講習を実施した。 スポーツマンシップ研修では、スポーツマンに求められる3つの気持ち「尊重」「勇気」「覚悟」について説明。さまざまな困難を許容し、多様性を認め、応援される選手になれるようにというメッセージが、子ども達に伝えられた。 アンガーマネジメント講習では、「6秒我慢」のルールを紹介。怒りが生まれた時の対処法として、6秒間冷静になることで、状況を客観的に見つめ直すことができるという考え方だ。 さらに、「ペップトーク」も紹介。ペップトークとは、肯定的で、元気になれる短い言葉を意識してかけることで、選手たちのモチベーションを高めることができる。 「人間は主語を理解できないため、『ミスをするな』という言葉は、逆にミスを助長してしまう」と益子さん。参加者に、ポジティブな声かけの必要性を訴えた。