<Lezel>「まほあく」OP「未完成ランデヴー」制作秘話 “END LESS”の思いを込めて
OPを担当することが決まった時は、原作愛が強く「歌で作品に参加したい」という気持ちがあっただけに「自分じゃない人に決まらなくてよかった」とほっとしたという。OP「未完成ランデヴー」は、Lezelさんとこれまでも何度もタッグを組んできた夏目縋さんが作詞・作曲・編曲を手掛けた。楽曲制作において、Lezelさんは「まず、私が彼にオタク語りをし続けたんです」と明かす。
「彼は男の子で少女マンガへの免疫がすこし少ないので、少女マンガへの入り方からお話ししていきました。『まほあく』の単行本を1ページめくるたびに『ここがいいの』と力説して。それに、単行本を買った時のワクワク感や、先生がお亡くなりになられた時の喪失感や悲しみも伝えました。彼自身、元々原作のある作品に携わる時は、本がヨレヨレになるまで読み込む人なんですけど、今回は夏目さんが作詞・作曲を担当されていたので、少女マンガのときめきを鮮明に理解してもらえるように、洗脳に近いイメージでずっとお話ししていましたね」
◇「未完成なままでいいの」に込められたもの
「未完成ランデヴー」は、白夜がミラの制服にアップリケを付けるエピソードをほうふつとさせる「花刺繍」、いつも公園で待ち合わせしている二人を思わせる「いつもの場所で 待ち合わせするの」など、「まほあく」の要素が歌詞にちりばめられている。中でも印象的なのが、冒頭の「未完成なままでいいの エンドロールはいらないから」という歌詞だ。
「夏目さんが作品自体に対して、先生に対して、ファンの皆さんに対して、いろいろな方面に対して『未完成なままでいい』という直球な文を入れてくれたのではないかなと思います。私の中の『まほあく』はふわふわとして可愛いのはもちろんなんですけど、やっぱりすこし儚く(はかなく)て、どうしても悲しみを背負った作品であるなとは思っているんです。『続きが見たかった』と思う人はたくさんいて、私もその1人なので、そうしたはかなさや、その中にある甘さがすごく楽曲に表現されているなと思いました。夏目さんが『まほあく』とLezelの世界観を融合させたものを作りたいと思ってくれて、夏目さん自身が原作を読み込んだ『まほあく』の世界観も反映させてくれたから、きっと『未完成なままでいいの』というスタートになったのかなと思います」