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塩の市場環境がコロナ禍で大きく変化 減塩・低塩志向が加速も

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日本食糧新聞

新型コロナウイルスの感染拡大で、塩の市場環境が大きく変化した。減少傾向にあった家庭での使用量は、外出自粛に伴う調理機会の増加でやや回復。旺盛なインバウンドに支えられ伸びていた飲食店や宿泊施設向けの塩の供給は一気に停滞した。味噌や醤油など食品加工用への供給は安定しているものの、減塩・低塩商品を求める消費者の声は年々高まっている。人口減少が続く日本市場でシェアを拡大するためには、こうした変化の波をとらえた商品開発やプロモーションが必要であり、販路拡大を視野に入れた“新しい価値の提供”が重要になってくる。

家庭用の塩が巣ごもりで需要増加

例年6月末に公表される財務省の塩需給実績の公表が新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されているが食品スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストア、百貨店などの小売店を通じて販売された家庭用塩の販売量は、2019年度も前年を下回ったと予想される。 2020年度はコロナ禍に伴う巣ごもり需要で塩を使う機会が増えそうだが、5年ぶりに改定された「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では塩分摂取目標値が男女とも0.5g引き下げられるなど、今後も消費者の減塩志向は続きそうだ。 財務省が公表している最新の塩需給実績によると、2018年度に小売店を通じて販売された塩(特殊用塩、特殊製法塩を含む)は19万1000トン(前年比4.5%減)だった。 2019年4月以降に塩事業センターや味の素社、青い海、日本海水、伯方塩業、天塩など有力企業の値上げが相次いだが、その駆け込み需要があったにもかかわらず大きく数字を減らした。2019年度はこれら駆け込み需要の反動減などもあり、家庭用塩の消費量はさらに落ち込んだとみられる。 2020年4月以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、塩の消費に大きな変化が見られた。家庭内での調理機会が増加し、塩の使用量に若干の回復傾向が見られた。日常的に塩を使う機会が増えたことで「高単価なこだわり品よりも、値頃感のあるよりベーシックな商品の動きが目立つ」(メーカー関係者)。 厚生労働省により改定された「日本人の食事摂取基準」では、成人1日当たりのナトリウム(食塩相当量)摂取量の目標値が男性7.5g、女性6.5gに引き下げられた。日本人の1日当たりの食塩摂取量の平均値が10.1gであることを考えると、今後も塩分摂取を控える動きは加速しそうだ。

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