LMEニッケル価格、6年半ぶり高値。投機筋のリスク選好ムード継続、8.4ドル台まで上昇
LME(ロンドン金属取引所)ニッケル価格が14年9月以来、6年半ぶりの高値圏に上昇した。現地11日の3カ月先物価格は直近高値の19年9月のポンド8・38ドルを上回り、同8・46ドルをつけた。最大消費国である中国経済が堅調に推移していることに加え、各国が金融緩和策を当面は維持するとの姿勢を見せていることから投機筋のリスク選好ムードが継続し、ニッケル価格を押し上げている。 現地11日のLMEニッケル価格は、前場終値で現物価格(セツルメント価格)がポンド当たり8・43ドル(トン当たり1万8599ドル)、3カ月先物価格が同8・46ドル(同1万8651ドル)で5営業日連続の上昇となった。 ニッケル価格はコロナ禍で急落した昨年3月を底に上昇基調が継続している。中国経済がコロナ禍からいち早く立ち直り、高水準の生産を継続していることに加え、各国の金融緩和で生まれた余剰資金の商品市況への流入が続いている。さらに世界的な脱炭素化の動きと電気自動車の普及拡大を受け、二次電池に使われるニッケル需要が拡大するとの見方も買い材料となっているもようだ。