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台風10号 島外避難の教訓生かせ 「独自の防災指針必要」「決断あと一日早く」 十島、三島村民が帰路

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南日本新聞

 台風10号の接近に伴い、三島村と十島村は住民に本土への避難を呼び掛けた。新型コロナウイルス感染予防で、島の避難所が「3密」になるのを防ぐためだ。住民が滞在するホテルの手配はスムーズにできた一方、「避難の判断をもう一日早くすべきだった」(十島村)など課題も残り、防災計画の見直しが迫られる。避難した島民の多くは、それぞれの村営フェリーで9日までに帰島した。 【写真】「フェリーとしま2」に乗船する本土避難者=8日夜、鹿児島市の鹿児島港本港区南ふ頭

 三島村のケースでは、住民の半数近い約170人が4日にフェリーで鹿児島市に避難した。このうち58人は村が手配したホテルに宿泊。ほかは親族宅などで過ごした。  村が島外避難を協議したのは3日午前。大山辰夫村長によると、前日の2日から特別警報級の台風接近に住民から不安の声が届いていたという。村はこの時点で、普段から会議などで使っている市内のホテルに部屋を仮予約した。  「避難用のホテルを確保した」と防災行政無線で住民に呼び掛けたのは3日午後。大山村長は「初めての事態だったが、早めの対応で円滑に避難できた。ホテルに避難した島民からはお礼の電話もあった。今後はさまざまな事態を想定し、村独自の台風時の防災指針を作るなど対策を練る必要がある」と話した。  十島村は200人が4日と5日に自衛隊ヘリで移動した。平島の日高廣さん(87)は「普段は病気でもない限り島を出ないが、今回の台風は恐ろしくて本土避難を選んだ。ヘリでの移動は生きた心地がしなかった」と振り返る。

 村が島外避難を決めたのは4日午前9時。鹿児島港本港区に待機していたフェリーでは、有人7島全てに寄港するのは既に困難な状況だった。防災行政無線で自衛隊ヘリでの避難希望者を募ったのは午前9時半。返事の締め切りは同11時。住民は短時間での判断を迫られた。  200人のうち83人がホテル避難を選択。部屋は村が村民向け宿泊割引の協定を結んでいるホテルに協力を依頼し確保した。島外に出る機会が少ない高齢者が、ホテルで戸惑うことがないよう職員2人が待機した。  肥後正司村長は「コロナと特別警報級の台風が重なり、本土避難の選択しかなかった。あと一日早く判断していたら、自衛隊ヘリに頼らず村営船で避難できた」。台風を想定した島外避難は村の防災計画に触れられておらず、今回得た教訓を反映させるという。

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